私の好きな作品たち~村上春樹編
本来、小説というもので、大人になってからこんなに感銘を受けたのは彼の作品ではなかったかと思います。羊男の出てくるシリーズは言うまでも無くその創造をたくましくしてくれました。最初は変わった作家だなぁくらいにしか思えなかったのが、ついつい引き込まれていって、彼の描くライフスタイルは何とも言えず面白く、感化され続けました。
例えばパスタを茹でるのに奮闘する姿や、パスタには必ずぶどうジュースが添えられている事。おつまみをチャッチャと作ってしまうこと。そういう光景が彼の作品には何度も登場します。そして羊男を捜し、たどり着いた札幌のドルフィンホテル。登場人物が実在したのではと思わせる会話。彼がサリンジャーから受けた影響も大きく、村上
氏の作品を読みながらサリンジャーを読むと、何の違和感もなく読めた事には少し惑いました。
彼の作品では『ノルウェイの森』が代表されますが、私は『ダンス・ダンス・ダンス』や『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』がとても好きです。
『ノルウェイの森』は主人公の友達の彼女のせつな過ぎる思いで胸が苦しくなってしまい、もう二度読み返すのはよそうと思ってしまいました。あの愛の深さは彼女を最後まで追い込むだろうと、読んでいる途中から予想できてしまい、自殺という結末はあまりにも読み終えた時、主人公の気持ちとダブってしまったのだと思います。
この作品が教材になると知り、夏目漱石の『こころ』を教材で学んだ高校生の時の思いが蘇ってしまいました。今なら解るけれど、当時の私には単に人間のエゴで片付けてしまった理解の無さを実感したものです。
村上氏の作品はどれも登場人物が個性的で創造たくましい私にはとても刺激的です。自分の中で人物像を造ってしまい、今も彼らは私の中で生きてる・・・そしていくつもの影響を及ぼしてくれるのです。自分と自分の影の存在・・・それまで考えもしなっかった影が何時一人歩きをするのだろう・・・そんな事を考えながら、新しいパスタ料理に挑戦している私なのでした。
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