« 2008年4月 | トップページ | 2009年2月 »

2009年1月

2009年1月31日 (土)

私の好きな作品たち~目取真 俊編

 期間工、警備員、塾講師などを経て県立高校の国語教師を勤めますが、2003年に退職。1997年、『水滴』で第27回九州芸術祭文学賞、第117回芥川賞受賞。2000年、『魂込め』で川端康成文学賞と木山捷平文学賞を受賞しています。

 沖縄の自然や風土、歴史に根ざした小説を発表。『水滴』『魂込め』には、沖縄戦の記憶を背負って生きる庶民の姿が描かれています。2004年には小説『風音』を自ら脚本化し、東陽一監督によって映画化されました。同作品はモントリオール世界映画祭でイノベ
ーション賞を受賞しました。主に短編が多いのですが、『虹の鳥』は基地問題や沖縄の暴力団にからむ若者の姿を描いた長編です。季刊『前夜』1-12号に「眼の奥の森」という短編連作を発表し、沖縄語を使った表現も試みています。Isono001

『水滴』は、徳正という名の老人の片足が、ふくれあがり、中は「ただの水」のようですが、不思議な力をもっていたりします。これに気がついたのは、徳正と同い年の清祐という厄介者だけ。彼は一儲けをたくらみます。大学病院に入院を勧 められても拒み、徳正は苦しみ、妻のウシは不安ながらもせっせと看病と家事と畑仕事の毎日を送ります。徳正の戦争体験が織り込められていますが、経過した時間の長さがきちんとある書き方がされていて、徳正があざとく戦争体験を糧にして生きてきた様子も描かれています。徳正の足に溜まった水がなにを意味していたか色々考えたりすると、奥深え考えさせられました。 ただ、『水滴』『風音』は沖縄戦のその後を扱った作品です。
 作者は書き下ろした『沖縄戦後ゼロ年』で「カルチュラル・スタディーズや癒しの島ブームなどでこの作品が一時的に持て囃される」風潮を快しとしない旨語っているので、「いい作品だった」「全日本人必読」などといったいい加減な批評は慎みたいところです。これらの作品はもちろんあくまで文学であり、小説であることは承知の上で、やはり作者の訴えは「沖縄について、戦争の実態も含めて多くの人に知ってもらいたい、観光でイイトコドリだけしないで欲しい」ということなのではないかと考えたりもします。

 『魂込め』は戦争で両親を亡くした男の魂が肉体を離れて海辺をさまよう。親代わりの女は、なんとか肉体に戻るよう懸命に魂に語りかけるが…。表題作「魂込め」ほか短篇六篇を収録。戦争と沖縄、新感覚で描く、記憶をめぐる物語。芥川賞受賞後、初の作品集です。濃厚な死と畏れが不思議な気を漂わせるも、抑制の効いた語り口で順当にストーリーを展開させています。情緒に流されることのない鮮やかな感情表現は秀逸だと思います。     

 沖縄の伝説と米軍、島の現実を、抑圧や葛藤に歪んだ語り手がくっきりと紡ぎだしています。表題の『魂込め』と『面影と連れて』などはまさに沖縄出身作家の趣きが強く、好奇心も読ませる要素となってしまう作品ですね。一方、少年が主人公の『軍鶏』他の作品は、時に熱くほとばしりIsono009 ながら、色彩豊かな感情が美しく自然描写もさすがです。

 『虹の鳥』は繰り返される肉体的、性的暴力の前に読者は始め戸惑うだろう。その拡大再生産される 暴力が臨海地点に達した時、それは無力に昇華してしまったように思いました。被害者が加害者に、加害者が被害者になる混沌とした展開は沖縄が抱える基地問題は言うまでもなく、アメリカの イラク占領においてもあてはまるのではないでしょうか。何か暗示的なリアリスティックな物語でした。 また私たちはあの夜の森へのハイウェイは日本本土までにも繋がっていることを忘れてはいけないと思います。

 戦後日本の「平和」は戦争では本土の捨て石に、その後は米軍基地の要石にされた沖縄の犠牲があってのもの。この差別の現実を変えない限り沖縄の戦後はゼロのまま。家族らの戦争体験をたどり米軍による占領の歴史を見つめ直す、『沖縄戦後ゼロ年』。

 この作品が私に何かを語りかけてきます。軍隊は住民を守らない。節目の六十年の日本人に、おびただしい犠牲者の血が証し立てた「真実」を突きつけられた気がします。
 そう、沖縄は観光だけを目的にしてはもはやだめなんですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月30日 (金)

私の好きな俳優たち~恩田三姉妹編

もたいさんとくれば三姉妹の残り、2人のことも書かざるを得ないでしょう。今だに『やっぱり猫が好き』ファンは多く、2007年8月14日Yahoo!ライブトークにて、恩田三姉妹を演じるもたいまさこ・室井滋・小林聡美が生出演。これは2007年7月4日に発売された「やっぱり猫が好き2007」DVD発売されました。

 第1話放送分の「かや乃おばさんが来た」は、広く知られているシチュエーションとは異なっていいます。出演者は小林聡美、森下愛子、もたいまさこの3人で、室井Satomi003滋は出演していませんでした。設定は、安藤きみえ(小林)と安藤さやか(森下)の姉妹が住むマンションに、伯母の恩田かや乃(もたい)が訪れるというものでした。しか し 第2話放送前に森下が急病のため降板、当時フリーで活動していた室井さんがが代役としてレイ子役を演じるようになろました。それと同時に「恩田三姉妹」という現在知られている設定に変更されていたこと。ご存知でしたか?第2話では変更された設定に出演者はまだ慣れておらず第1話での設定の名残があるます。

 例として、電話に出るきみえが思わず「はい、安藤です」と言っているし、レイ子の女優という設定も、この話の収録中に生まれた(当初は「学校の先生」が職業だと思って演じていたと室井は後に回顧しています)。脚本は数人がローテーションで担当していましたが、三谷氏が担当していた話は特に人気があありました。第1シーズン後半に移ってからは話数のほぼ全てを三谷幸喜が担当しています。これが縁で三谷は三女・きみえ役の小林聡美さんと結婚することになりました。

 マンションの一室を舞台に恩田家の三姉妹が繰り広げる騒動を一話完結(二話続きの例外もあり)で描いたシチュエーションコメディ。 基本的に、舞台はマンョンの一室、出演者は三姉妹と飼い猫のみという設定でした。しかし、初期はスタッフが出ていたり、屋外ロケが数回。スペシャル版では逸見政孝、三谷幸喜、大高洋夫、西村雅彦などが出演していましたね。 台本はあるもののアドリブもかなり多く、そのどっちとも付かないセリフが魅力でもあります。また、失敗やハプニングが起こってもそのまま放送されることも多く、男性スタッフの笑い声がときたま入ってましたね。 この番組の設定の半分はアドリブからきたものなのです。
 難解なセリフが数多くあり、ファンサイトなどではそれらに関する質問が必ずといっていいほど寄せられます。未だに謎に包まれている箇所も多くあり、それ らもこ014steiの番組の楽しみとなっています。

 と恩田家のことではなく小林聡美さんと室井滋さんについて書こうと思ったわけで、まず小林さん。中学2年の時に武田鉄矢氏主演のドラマ「3年B組金八先生」のオーディションに合格し、生徒役でデビュー。 1982年、大林宣彦監督の映画『転校生』で主演に抜擢され、ヌードを披露し話題となりましたね。同作で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しました。あの映画は本当に面白かったというかドギマギした作品でした。

 『転校生』は、山中恒の児童文学『おれがあいつであいつがおれで』の映画化作品です。この映画が製作された当時、監督をつとめた大林宣彦は「CMディレクター出身の新進気鋭の映画監督」という位置づけであり、すでに監督経験はあったものの名声や地位が十分に確立されていたとはいえなませんでした。また、主演の尾美としのり・小林聡美もほとんど無名の俳優であり、さらに、「男と女の身体が入れ替わる」という内容が、当初は出資を決めていた会社(「学用品関連」とのこと)の内部で「破廉恥である」と問題になり、出資が中止されるなど、制作費の調達などは極めて厳しい状況でした。大林氏は「一時期はクランクアップが危ぶまれるところまで追い込まれた」と述べています。
 

 公開後、地味ですが極めて良質の映画という評価がなされ、参加スタッフ・出演俳優の代表作になりました。(尾道市でロケーションを行った本作『転校生』のほか、『時をかける少女』(1983年)、『さびしんぼう』(1985年)の三作を大林「尾道三部作」と通称し、「尾道三部作」と呼ばれるようになりました。コメディタッチですが、考えさせられることしばしばの作品です。

 この時のイメージが取れなくていつまでたっても高校生から成長しないんで困りますが、三谷監督曰く、『僕は彼女に勝てる事が一つも無いんです。』というほど役者としても、そして他の事にしても小林さんは優れた才能をもっているのだと痛感したのが『やっぱり・・・』の機転の速さなどに現れていますね。どこから台本でどこからアドリブだったか解りましたか?アドリブってとても難しいと思うんですよ。相手がいる場合はなおさら、どこで入っていいのかわからないわけですから。そしてあの早口も頭がよくないとできませんよ。尊敬しちゃいますよね。

 室井さんは、大学在学中の1981年、映画『風の歌を聴け』で劇場映画デビューしてたんですね。1995年、渡邊孝好監督『居酒屋ゆうれい』(94)で報知映画賞最優秀助演女優賞・日本アカデミー賞最優秀助演女優賞・キネマ旬報最優秀助演女優賞・ブルーリボン賞助演女優賞など数々の映画賞を受賞しています。原作は山本昌代の同名小説(河出書房新社・刊)を元に、萩原健一、山口智子、室井滋を迎え居酒屋を舞台に繰り広げられる幽霊(前妻)と飲み屋のご主人(主人公)と後妻の一風変わった三角関係を描いた喜劇映画でした。『風の歌を聴け』はおなじみ村上春樹の作品の映画化です。

 テレビだけでも相当数出演していますが、映画からバラエティまでMuroi001 こなしていらっしゃいます。最近のドラマだけでも

相棒 2nd Season
奥さまは魔女 鈴木恵美子 役
怪奇大家族 忌野幽子 役
松本清張 黒革の手帖 中岡市子 役
にんげんだもの 相田エイ 役
ナニワ金融道
愛と死をみつめて 河野里子 役
純情きらり 有森磯役
ブスの瞳に恋してる 里中花子 役
14才の母 桐野静香 役
新マチベン?オトナの出番? 新城里美 役
4姉妹探偵団 宮本加津代 役
あしたの、喜多善男?世界一不運な男の、奇跡の11日間? 宇佐美広美役(特別出演)
モンスターペアレント 第7話ゲスト 藤巻類子 役
疑惑(テレビ朝日開局50周年記念ドラマ、松本清張生誕100年特別企画)

映画では2000年以降でも

2002年、OUT
2003年、ファインディング・ニモ (ドリー※日本語吹替版の声優として)
2005年、MAKOTO
2005年、KARAOKE -人生紙一重-
2006年、闇打つ心臓
2007年、ゲゲゲの鬼太郎(砂かけ婆役)

と役に捕らわれず、細い(テレビで見ると一般体系に見えますが、実はちっとも太らないのだそうです。)身体で頑張ってくれてます。

それとは別にあの恩田レイ子ははじけすぎではないですか?・・・・

でも彼女達3姉妹が大好きな私でした。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年1月29日 (木)

私の好きな作品たち~池澤 夏樹編

 今まで何故紹介しなかったのかと後悔するほど素晴らしい作品たちです。

1987年の芥川賞作品、『スティル・ライフ』は再読したいほどです。

 都 帰国後、初の詩集『塩の道』を出版。これは『ユリイカ』の編集長の誘いという[要出典]。1979年より『旅芸人の記録』(監督テオ・アンゲロプロス)の字幕を担当、これがきっかけでアンゲロプロスの作品の字幕を担当します。Higasiyama003
 詩は、1982年『もっとも長い河に関する考察』を最後に書いていません。以降数編のエッセイを出していましたが、1984年に短編小説『夏の朝の成層圏』を発表。小説家としてデビュー、中央公論新人賞を受賞した小説「スティル・ライフ」(『中央公論』1987年10月号)で第98回芥川賞を受賞となりました。

 『スティル・ライフ』はその文章を読んでその清清しい新鮮さ、文体の透明感に感動し、完成された小説として今すぐ読みたいという思いに駆られたものでした。文庫の『スティル・ライフ』はすごく心を潤してくれました。読んでいる途中も読み終わった後も喉だけでなく、精神的にもまるで清らかな水で癒されたような錯覚がしました。今もその時初めて買った文庫本を持っていて、時々読み返しています。何十回読んでも毎回新鮮な気分にさせてくれます。 そこにあったのは、ただただ静謐な世界。 派手なストーリー展開やどろどろした心理描写を一切排したところに、ただ在るだけで読ませる、そんな小説です。 詩人でもある著者の、原点にして真骨頂とも言うべき作品だと思います。

他にも『南の島のティオ』は受け取る人が必ず訪ねてくるという不思議な絵ハガキを作る「絵ハガキ屋さん」、花火で「空いっぱいの大きな絵」を描いた黒い鞄の男などの個性的な人々とティオとの出会いを通して、つつましさのなかに精神的な豊かさに溢れた島の暮らしを爽やかに、かつ鮮やかに描き出す連作短篇集です。第41回小学館文学賞受賞。

 清冽かつ理知的、明晰で的確な表現で知られる著者が、子供たちに向けて初めて書いた本。ということは、「子供向きの童話だろう」と思って読み始めると、それは嬉しい誤解だったことに気づきました。舞台は南の小さな島。主人公の少年は、精霊が引き起こす不思議な事件に巻き込まれたり、友達のために胸がどきどきするような冒険をしたり。自然だけでなく、人の優しさも心も豊かな島で、少年と、島にやって来た不思議な人々に、やたらに暢気な島の住人たちとの出会いを綴った十の物語です。読み始めてすぐ巧みなストーリーに引き込まれ、南国の花と果実の匂いの混じった濃厚な空気や高い山に吹く澄んだ透明な風、日向の乾いた太陽の匂いを深呼吸しながら読み進んでいくと、読み終わる頃には干したての布団にくるまっているように心がほかほかしています。日々の生活に心がちょっと疲れた時に効くビタミン剤。年に一度は読み返したい作品です。

『マシアス・ギリの失脚』は南洋の島国ナビダード民主共和国。日本とのパイプを背景に大統領に上りつめ、政敵もないマシアス・ギリはすべてを掌中に収めたかにみえた、日本からの慰霊団47人を乗せたバスが忽然と消えるまでは…。善良な島民たちの間でとびかう噂、おしゃべりな亡霊、妖しい高級娼館、巫女の霊力。それらを超える大きな何かが大統領を呑み込む。豊かな物語空間を紡ぎだす傑作長編です。谷崎潤一郎賞受賞作。
 主人公は大統領です。経済・政治の問題がいやおうもなく関わってきますが、それと同時に土着のファンタジーが領域を消してはいりこんでいます。マジック・リアリスムとして上出来です。かつては戦争であったものが、経済や政治の問題になっていると、感慨深いものがあります。
 私が感心したのは物語に関しての考察です。物語というのはKaii002 決して真実ではありません。そこには語り手と聞き手の存在があり、伝承という要素もあります。島の老人が子供たちに聞かせる昔話は現代の島の第七位の巫女を取り巻く環境そのままです。物語はすべて多角的な面を備えていて、だから無限の可能性を持っています。マルケスらが継承してきた物語性を現代日本でもっともよく発揮した作品といえるでしょう 。

池澤氏自身が『読んでも読んでも読み終らないような長い物語を書きたかった』と語っていますが、確かに、淡々とした語り口が『長さ』を際だたせ、書き込まれた細部・脇役の魅力のおかげで退屈さ、中だるみとは無縁の作品に仕上がっています。一人の日本の技術者が、チベットの奥地に農業用の風車を立てる。主人公は、科学のかの字も知らない現地の人々に、風車のメンテナンスのための授業をし、主人公は、現地の人々が信仰している素朴な仏教に触れ、感銘を受けます。 というのがこの物語の大筋です。特筆すべきは、この物語がもともと読売新聞の連載小説であったこと。というのは、この物語の連載の中で、素朴で純粋なチベット仏教のすばらしさを描いていたまさにその時に、同じチベット仏教であるはずのオウム真理教が地下鉄にサリンを撒いてしまった・・・。物語は一時脱線し、オウムについて、アサハラについての作者ならではの考察をくわえていきます。事件の全貌がまだ見えない中で、作者はなるべく誠実に答えを見出そうとします。それがそ以降の主人公の行動や思想に深みを与えたに違いないと思います。もろ手を上げてチベット仏教万歳というのでもなく、自分と仏教は関係ないと突き放すのでもなく、彼らしい結論に達する過程は、物語というよりは一種のドキュメンタリーにも思えますね。

 池澤 夏樹氏の作品ははずれが無いといっても過言ではないと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年1月28日 (水)

私の好きな俳優たち~もたい まさこ編

随分テレビや映画にでていらっしゃるのでどれが最初に観たものなのかわからなlくなっていますが、やはり、うむをいわせたのは『やっぱり猫が好き』でしょうね。1972年頃より女優活動を開始し、1979年、渡辺えり子さんらと「劇団3○○(さんじゅうまる)」
を結成する。当初は制作を担当していたが役者として舞台に立つようになり、特異なキャラクターと演技で演劇界の注目を集めることとなったそうですが、残念、知りませんでした。特異なキャラというのは当初から持ち合わせていたものなんですねえ。
 
 女性に使っていいかどうかわからないのですが、いぶし銀といったらぴったりしそうな代名詞だとおもうのですが・・・

 1984年、学園ドラマ『ビートたけしの学問ノススメ』に教員役で出演。1985年にはNHK大河ドラマ『春の波涛』やバラエティ番『OH!たけし』に出演するなどテレビ業界へと進出し、1986年には劇団3○○を退団しました。

同年、金鳥のタンス用防虫剤「ゴン」のCMで木野花と共演。同CMで使われた「亭主元気で留守がいい」のフレーズは流行語大賞の銅賞を受賞。
1989年、「恩田三姉妹」として室井滋、小林聡美と共演したコメデMotai002 ィドラマ『やっぱり猫が好き』がヒットし、一躍人気者となりました。以後、映画やドラマにおいて名脇役として現在まで活動を続けておられます。

2007年、映画『それでもボクはやってない』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞しました。これは、フリーターの金子徹平が朝の通勤通学ラッシュに大混雑する電車で就職面接に向かう際、女子中学生に痴漢と間違えられてしまう。無実の罪を被って示談で済ませるという妥協を拒み、あくまで濡れ衣を晴らそうとした徹平は、逮捕され、更には起訴されることとなる。そして、徹平と彼の支援者達の長い戦いが始まるというストーリーで、もたいさんは痴漢とおもわれた金雄徹平の母親役でした。周防監督は、2002年に東京高裁で逆転無罪判決が出された事件をきっかけに痴漢冤罪(ちかんえんざい)に関心を持ち始め、自ら取材した数多くの同種事件の実在エピソードを作品中に散りばめるなど、痴漢冤罪事件を通じて、日本の刑事裁判の実態を映像化しています。
 
このような少し重たい演技も難なくこなし、かと思えば、どこにでもいる奥さんにも見え、また一皮むくと恩田かや乃ねえさンキャラでもあり。『やっぱり猫が好き』でもたいさんはわりとあの3人のなかでは普通に見えるのですが、もたいさんがいない場面は何か足りないきがするのが不思議です。こういうお姉さんが本当に一緒おこたに入っていっしょにみかん食べててもなんの違和感もなく、『ねえ、おねえちゃん、ちょっと相談があるんだけど・・・』なんて話し出してしまいそうなくらい身近な存在に思えたりもするんですねえ。『ALWAYS 続・三丁目の夕日』の大田キン役もよかったですねえ。『かもめ食堂』はこの個性的な面々がフィンランドの首都ヘルシンキを舞台に、のんびりゆったりとした交流を繰り広げていく様子を見るだけで幸せな気分になれます。『バーバー吉野』では口うるさいが親切な吉野のおばちゃん役を、個性派もたいさんが好演しています。小林聡美さんとの掛け合いもおねえちゃんをたてつつ、いいあい方ですよね。室井滋さんが入るともう収拾がつかないおもしろさ。

と恩田三姉妹にもどってしまいましたが、これからもいろんな役をやって驚かせてください。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年1月27日 (火)

私の好きな俳優たち~竹中 直人編

 私が竹中さんを知ったのは遥か昔、『ぎんざNOW!』(TBS)の「素人コメディアン道場」で第18代チャンピオンに輝き、芸能界入りしたときです。その後、『TVジョッキー』(日本テレビ系)の素人参加コーナーへ出演しモノマネ芸でチャンピオンとなり注目される。当時の持ちネタでは「笑いながら怒る人」が有名になった方ですよね。面白い事ばかりする人だと思っていたのですが、1991年、つげ義春の漫画『無能の人』を映画化する際、奥山和由に才能を見出されて主演を務めると共に監督にも抜擢され、同作にて映画監督デビュー。1996年、NHK大河ドラマ『秀吉』で主演の豊臣秀吉役を務めました。

同作は平均視聴率30%を超え、後にモビットのCMで竹中が秀吉役を演じました。パチスロ機『竹中直人のパチスロ太閤記』が登場するなど、社会現象と呼べるほど反響が大きかったのです。テレビ朝日『敵は本能寺にあり』(2007年12月放送)にて、他局ではありますが再び秀吉を演じています。1999年、遠藤周作を主人公とした遠藤夫人の回顧録が原作のTBSドラマ『夫の宿題』で遠藤周作役を好演しましたね。あれは感動的でした。

 大学時代から映像演出研究会に所属し、8ミリ映画の制作に没頭し、監督から出演までこなしていたそうです。それを知ったのは、1991年、つげ義春の漫画『無能の人』を映画化する際、奥山和由に才能を見出されて主演を務めると共に監督にも抜擢され、同作に
て映画監督デビューしたことでした。

 『無能の人』は、日本の漫画家つげ義春によりCOMICばくの1985年6月号より「石を売る」「無能の人」「鳥師」「探石行」「カメラを売る」「蒸発」と続くシリーズ連作で読切短編の多いつげ作品としては異例の連続シリーズとして知られますが、この作品を機につげは長い休筆期間に入りました。それを竹中さんが映画化したのです。
 
 主人公の助川はつげ自身がモデルという指摘もある主人公の助川助三は、かつてはそれなりに名の知れた漫画家であった。でも近年は仕事も減り、たまに執筆の依頼が入っても、自ら「芸術漫画家」を自称しているプライドがあるため、断り続けている貧乏な日々を送っていました。妻のモモ子からは漫画を描けと時になじられますが、助川は全く描こうとはしない。そこで助川は漫画以外の新たな道を模索するというもので、「石を売る」などの作品ができました。

 趣味はギター、映画のビデオ・DVD収集など。キャラクターや声を自在に操るので有名ですね。。俳優や監督としての注目が集まる一方、なおもコメディアンとしてオリジナルビデオ『普通の人々』やTV番組『東京イエローページ』、『竹中直人の恋のバカンス』、『デカメロン』においてシュールなコントを展開。番組終了後もCSにおける再放送やDVDソフト化が実現するなど、現在もお笑いファンからカルト的な支持を得ています。その他様々なラジオのパーソナリティやバラエティ番組などの司会を担当。歌手としても高橋幸宏プロデュースのアルバム『MERCI BOKU』、『イレイザーヘッド』を発表しています。

 好きな音楽は忌野清志郎、フィッシュマンズ、クラムボン、ホフディラン、SUPTakenaka003EBUTTER DOGなど。特にSUPER BUTTER DOGは彼らの楽曲「サヨナラCOLOR」にインスパイアされて同名の映画を制作したほどでです。
監督作品は
無能の人 (1991)
119 (1994)
東京日和 (1997)
連弾 (2001)
サヨナラCOLOR (2005)
山形スクリーム (2009)

ですがこれは竹中さんが監督をしたもので、出演映画やドラマは数え切れません。なかでも私が注目したのは『のだめカンタービレ』で、本ドラマは原作コミックスの第1巻から第9巻まで(いわゆる「日本編」)の内容を基に制作している(これは後に制作・放送されたアニメ版でも同様です)。主演は上野樹里と玉木宏の2人で、共に本作が月9ドラマ初主演となりました。
 クラシックの演奏シーンをよりリアルにするために主要キャストは担当の楽器を習い、サントラの演奏をするために「のだめオーケストラ(のだめオケ)」が公募の末、結成された(彼らはAオケおよびSオケ、R☆Sオケのメンバーとしても、画面にエキストラ出演している)。のだめオケの公募とサントラ音源の収録には、東京都交響楽団および、指揮者のジェイムズ・デプリーストが協力し、原作者とも交流のあるN響オーボエ奏者の茂木大輔、指揮者の梅田俊明らも音楽関連のアドバイザー、指揮指導をしていました。その中で、「ミルヒー・ホルスタイン(Milch Holstein ホルスタインの牛乳)」という、明らかにうさん臭い偽名を名乗る謎のドイツ人。一見ただのスケベ(エロ)ジジイですが、その正体はヴィエラと人気・実力を二分する大指揮者・・・。カズノコ、豆、ニンジンなど、好き嫌いが多いのが竹中さんでした。これだけ経験のある竹中さんがここまでやるか・・・と、実はあっぱれなのでした。

 映画では『スパイ・ゾルゲ』がなんとも気なる作品でした。映画監督の篠田正浩のラスト・フィルムという事や、全編がHD24Pによるデジタル撮影された事、CGによる大規模な合成などで、映像業界では非常に話題を集め、興行的には成功しませんでしたが、CGで描
かれた戦前の東京は、歴史の教科書を読んだだけではわからない、当時の雰囲気を伝えている。また、忘れられつつあった事件を掘り起こしたことも、注目を集めたました。竹中さんが東条英機役をしたことも印象的でしたね。

 主役も脇役もすんなりこなしてしまう竹中さん。どれがシビアなことをいっているのか分からない時ってないですか?素に戻った方が二枚目的な気がして・・・ホントは照れ屋さんなのかもしれませんね。

 舞台の『竹中直人の会』も見てみたかったです・・・これからも映画に挑戦してください。

| | コメント (1) | トラックバック (1)

2009年1月26日 (月)

私の好きな作品たち~猫編

 新刊を探していたらまた、見つけちゃいました。ヴィッキー・マイロンさん著、羽田詩津さんが翻訳された『図書館ねこ デューイ―町を幸せにしたトラねこの物語』です。

 1988年、アメリカの小さな町の、こごえるような冬の朝。出勤してきた図書館長のヴィッキーは、本の返却ボックスのなかでうずくまる子ねこをみつけ、その赤茶色の子ねこは、救いだされると健気にしもやけの足で立ちあがり、ヴィッキーの手に頭をすりつけて挨拶をした。信頼しきった大きな目と、人なつこい表情――この子は図書館に必要な存在だ、とヴィッキーは直観する。こうして、2人の物語は始まったのです。

来訪者を出迎え、ひざの上で眠る「図書館ねこデューイ」に、Dtui001 子どもたちは笑顔になり、大人は心をいやされた。やがて人びとはデューイに会おうと図書館に集い、語らうようになる。そしてデューイとヴィッキーは小さな図書館にいながら、町の人を勇気づけ、アメリカ
街じゅう、さらに海外へとあたたかい物語を伝えていくこととなりました。
 自身の病気や子育てに苦労しながらも、デューイの世話をし、ともに図書館をもりたててきた図書館長が、町の人びとに、そして世界じゅうに愛された1ぴきのねこの一生を愛情をこめてつづっています。

動物ものは苦手な私でもこんな図書館があれば行って見たいと思いますね。ペットとか動物とかいうと『いいえ家の家族です。』といわれるほどのペットブームがズ~っと続いていますが本まで読んじゃう人っているのかしらと思ったら、アラ大変。特に犬、猫関連の本は驚くほどあるんですよね。

 吉行 理恵さん作の『湯ぶねに落ちた猫』もタイトルにもある通り、猫好きの作者らしい素敵なエッセイが大半を占めています。 そこに現れる作者と猫たちの心の交流の表現や、そこで起こる様々なエピソードは、猫好きの人には堪らなくなる作品ばかりです。 と同時
に、異常なまでに猫にのめり込んで行く作者の精神的なひ弱さは、過去のエピソードも含め考えさせられるものがあります。
この本の中には、「小さな貴婦人」も収められており、この本全体が、「小さな貴婦人」の解説本のような感じです。 従って、81年に芥川賞受賞時に読んだときよりも、ずっと深くその内容を理解できた気がします。

 また、半藤末利子さんの『夏目家の福猫』も『吾輩は猫である』のモデルになった仔猫は、漱石の妻鏡子との攻防の果てに、いかにして夏目家に住みついたのか。七人の子供を育て、座る暇もないほど忙しい生活をおくった鏡子と漱石の関係。“狂気の時”の恐ろしさと、家族しか知りえないおおらかな素顔。漱石没後の夏目家―。長女筆子から伝え聞いた夏目家のくらしと、文豪の孫としての日常をユーモアたっぷりに描く珠玉のエッセイです。ぜひ読みたい1冊です。

 『猫は魔術師 』と言う本があり、ここではかかってしまったら二度と解けない不思議な猫の魔術。犬ほど愛想がいいわけでも、忠実でもない。人の役に立つわけでも、芸が出来るわけでもない。生意気、自分勝手、わがまま、気まぐれ、マイペース…。でもなぜか愛してしまう不思議な存在“猫”に翻弄された40人の各界著名人たちが猫をこよなく愛する人へ贈るハードフルエッセイ集です。

 私の家でも猫が長く住み着いていましたが、もう天に召されてもうあんな辛い思いはしたくなと暗黙の了解のうちにペットを飼うのをやめました。でもおかしいもので、祖父母の写真は飾っていないのに、猫の写真は健在です。名前は2匹ともメスだったので静江と薫
という実に人間らしい名前を私が命名しました。静江は兄があべ静江さんのファンだったから、薫は私の好きな作家庄司薫氏の名を拝借しました。家は犬も飼っていた時期があるので、犬派とか猫派というのはどちらでもなく、どちらも好きなんですけど、飼ってあげられないのがちょっと淋しいと家族皆が思っているでしょう。そんな時、こんな本を両親にプレゼントしたら喜んでもらえるでしょうか?

 ただの写真集のほうが喜びそうなので、ここは思案・・・

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年4月 | トップページ | 2009年2月 »