私の好きな作品たち~北川悦吏子編
脚本家であり、今や映画監督でもある北川さん。『あすなろ白書』の頃から注目していました。原作は柴門ふみさんでしたが原作を読まずして観たドラマは青春という名のもとに、悩んだり、感動したり、泣いたりしなががらでも恋愛が中心核となった甘く切ない作品でした。本当のことを言うと柴門さんが漫画家だということも知りませんでした。本来、私は原作が漫画ということに少し不満を持っているので(こういう偏見はいけないことなのですが)、でも割と好きで観ていた作品が漫画ということがだんだん多くなってきていることに戸惑いながら、ここは脚本家の腕!とばかり肯定して観ているわけで、とりわけ北川さんはその当りを上手に描写されていると思います。
1991年に放映された『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)の「ズンドコベロンチョ」で注目を集め、その後、1992年の『素顔のままで』(フジテレビ系)で開花。翌年には、『あすなろ白書』(フジテレビ系)などの恋愛ドラマ・トレンディドラマを中心に秀作を連発し、脚本界の“恋愛の神様”と呼ばれています。
主な作品は
あすなろ白書(1993年、フジテレビ系)
"あすなろ白書"をもう一度(1993年、フジテレビ系)
君といた夏(1994年、フジテレビ系)
愛していると言ってくれ(1995年、TBS系)
ロングバケーション(1996年、フジテレビ系 )
最後の恋(1997年、TBS系)
Over Time-オーバー・タイム(1999年、フジテレビ系)
ビューティフルライフ(2000年、TBS系)
Love Story(2001年、TBS系)
空から降る一億の星(2002年、フジテレビ系)
オレンジデイズ(2004年、TBS系)
たったひとつの恋(2006年、日本テレビ)
と見て解るようにトレンディだけでなく『ビューティフルライフ』のように腕はあるのに人気のない男性美容師と、難病に侵され車椅子での生活を強いられながらも健気に生きる図書館司書の女性を描いたラブストーリーもあります。
その点から言えば『愛していると言ってくれ』も豊川さんは耳の聞こえない画家で、女優の卵が、障害を乗り越えながら愛を深めるというストーリーもありました。そのため障害者のドラマが持つそれまでのイメージを大きく変えた作品と言えるでしょう。この点などが高く評価されて、第33回ギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞しました。またこのドラマの放送を期に、若い女性を中心に手話を習う人が増えるなどの社会的影響がありました。
主演は豊川悦司さんと常盤貴子さん。それまで二人は、若干斜に構えたクールな役柄を演じることが多かったのですが、このドラマへの出演により、新境地を開くことに成功したそうです。このドラマは、それぞれの俳優人生を変えるほどの代表作となり、常盤はこのドラマでの演技が評価され、1995年度のエランドール賞新人大賞を受賞しました。
『ビューティフルライフ』は向田邦子賞を取り、高視聴率をあげました。『オレンジデイズ』もどこにでもいそうな大学4年生・結城櫂(妻夫木聡)と、病気で4年前に聴覚を失った事により心の扉を閉じてしまった女の子・萩尾沙絵(柴咲コウ)のラブ・ストーリーを軸に展開される、大学の卒業を1年後に控えた5人の若者の青春ドラマでした。
このように、北川さんの書くドラマは、制作側の期待度を反映して多くの人気俳優が出演するため、一見派手で空疎な恋愛劇と捉えられがちですが、その射程は社会的弱者の本音にも及ぶ、包括的で現実的な愛として、視聴者ならびに批評家からも高い評価を受けています。
エッセイストとしての著作、『君に話した言葉』などの詩集も多数。『10 minute diary』は雑誌ヤングユーにて漫画化、ウェブサイトにてドラマ化され、ウェブドラマ第4話では、北川さん自身が初のメガホンを取り、監督デビューを飾りました。2009年春に公開予定の映画『ハルフウェイ』では、岩井俊二、小林武史らを共同プロデューサーに迎え、初の劇場公開されます。
この作品は、この恋は、きっと永遠・・・そう信じてひたむきに恋をする、地元の高校に通うシュウとヒロ。 しかし“卒業”を前に、二人の心は揺れる。東京の名門大学を受験することを決めたシュウと、そんな彼を素直に応援できないでいるヒロ・・・誰の記憶にもある「卒業の風景」を通して、初々しくはかない青春と初恋の季節を綴る、まっすぐな恋の物語です。なんの打算も無く一途に愛する事を描ききる北川さんはやはり凄い存在です。
また、社会的弱者との恋愛を取り上げた作品を期待しています。回りの私たちもこういう時どうすればいいのかという道標を作ってください。
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