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2009年2月 5日 (木)

私の好きな作品たち~大森美香編

 私は以前にも書きましたが竹内結子ちゃんのファンで、『ランチの女王』『不機嫌なジーン』など月9は結構観ていますがこの2作品、脚本が同じ方だとご存知でしたか?私はついぞ知りませんでした。『不機嫌なジーン』が向田邦子賞を取ったことは知っていたのにで
す。どちらかというと『ランチの女王』のほうに賞をあげて欲しいと思うのですが・・・

 脚本家であり演出家、映画監督でもある大森さんは1972年生まれと聞いて驚いてしまいました。短大卒業後、名古屋テレビ放送に入社。東京支社に勤務し、24歳で退社後、フジテレビの契約ADとなりました。『美少女H』(1998年)・第12話「十七歳の記録」で脚本家、演出家デビュー。この後アシスタント・プロデューサーとなり、山口雅俊プロデューサーのもとでフジテレビのドラマ制作に深く携わりキャリアを積んだそうです。

2000年からフリーランス。以後、『カバチタレ!』のヒットを足掛かりにコンスタントに佳作を著し、若くして月9、朝ドラの脚本を手がける人気脚本家となりました。その一方で、映画監督としての活動にも力を入れています。

 多くの作品で、気の強い女性を中心に据えているのですが、実は優しいし淋しがりやなのかなとふっと思える瞬間があり、今時の女の子ってこんな感じなのかなあと考えさせられます。ドラマで検証しますと、

美少女H(1998年、フジテレビ)※12話担当
恋愛結婚の法則(1999年、フジテレビ)※7話のみ担当
二千年の恋(2000年、フジテレビ)※6話を藤本有紀と共著
ただいま満室(2000年、テレビ朝日)※1、2、4、6、8、10話を担当Takeuti004  
カバチタレ!(2001年、フジテレビ)
ロング・ラブレター?漂流教室?(2002年、フジテレビ)
ランチの女王(2002年、フジテレビ)※4話 - 12話が、単独の脚本クレジット
お見合い放浪記(2002年、NHK)
きみはペット(2003年、TBS)※9話のみ演出を兼任
ニコニコ日記(2003年、NHK)
ラストプレゼント(2003年、NHK)
不機嫌なジーン(2005年、フジテレビ)
風のハルカ(2005年 - 2006年、NHK)
里見八犬伝(2006年、TBS)
マイ☆ボス マイ☆ヒーロー(2006年、日本テレビ)
Good Job?グッジョブ(2007年、NHK)
エジソンの母(2008年、TBS)

これらに共通するのが気の強い女性なのですが、ふっと力が抜ける瞬間がどの作品にもあって、それが何故か観ている私などはほっとするんです。

『ランチの女王』はランチが大好きな麦田なつみ(竹内結子)は、ひょんな事から洋食屋「キッチンマカロニ」で働きながらその家に住む事に。「マカロニ」の次男鍋島勇二郎(江口洋介)、三男の純三郎(妻夫木聡)、四男の光四郎(山下智久)、そして下宿人でもある牛島ミノル(山田孝之)と共に店で働くなつみ。長男健一郎(堤真一)の偽りの婚約者と嘘を抱えているのだが・・・最初は他人として距離をおく鍋島家となつみだが、元彼の修史(森田剛)が現れ・・・なつみの意外な過去を知った上で「家族」としての絆を深めていくラコメディです。なっちゃんが好きなのは、勇二郎か純三郎か・・・なっちゃんが自分のことをつい話してしまう相手は勇二郎さんなんですよね。気の強い女は多少の年齢差があって相当頼れる相手じゃなければ、むずかしいのかもしれないと思いましたが、『不機嫌なジーン』は珍しく別れてジ・エンドでしたが。

 この『不機嫌なジーン』が向田向邦子賞を得た背景に、動物行動学や大学院生の研究生活を取り扱ったことが月9の視聴者層全体には受け入れられなかったのか、高視聴率につながりませんでした。しかし積極的に科学分野を取り入れたことが評価され、脚本は向田邦子賞を受賞しました。この作品で受賞できたことを大森さんはとても喜んでいました。実際の研究者が見れば失笑物のシーン・設定も多いでしょう。例えば舞台となる動物行動学研究室では学生一人が一つのモデル生物をテーマに研究を行っているのだが(しかも脊椎動物・無脊椎動物関係なしに雑多な生物を扱っている)、安定した実験結果を得るには莫大な科研費・維持費が必要となり、実際には一研究室がこのように雑多な動物をテーマにする事はほとんど不可能です。 一方で実際の分子生物学的実験のシーンでは、本物の研究者よろしく手際よく実験を進める芝居を行っている点で評価できるのだそうです。

 このジーンこと蒼井仁子(竹内結子)は努力家だが『人間と自然は共存できる』『人間は動物を守る存在』など理想家の一面もあり、南原によく指摘され討論になることもしばしば。恋愛に無関心というわけではなく、実はシャイで純情に恋をする女。ただ1年付き合っ
て南原が浮気をし、以来男性不信に陥るのです。一方南原孝史は35歳。仁子曰く、自分勝手でナルシスト。自信過剰、いつもブツブツ文句を言ってばかり、すぐに泣く。大嫌いで同時に愛おしいらしい。だが理想家の仁子と違い、『人が消えても地球は何も困らない』
など現実を見る男。仁子にどんなに貶されてもそれを原動力に変えてしまうポジティブ体質。実はバツイチ。最初は仁子を遺伝子を増やすために迫っていたが、知らない間に彼女に惹かれ愛していた。ミネソタに旅立つ直前に本当の想いを告げ、両思いになる。2年後、仁子にプロポーズを申し入れ成功するが彼女が迷っていることに気づき、背中を押す形で自分から別れを告げる。しかし、部屋の中で彼は一人涙を流していた。そういうタイプの男性って増えているのですか?ちょっと気になるところです。

 他にもこれ、観たというドラマがきっとあるはずです。私は『カバチタレ!』も好きでした。昨今の法律職ブームの大きな火付け役となったとも言われ、ヒット以降、それまでマイナーな存在であった隣接法律職の行政書士や司法書士、社会保険労務士などが一躍注目を
浴び、その受験者が激増して社会現象となりましたよね。本作品に対して、主人公たちは行政書士が本来できないことまで行っている、つまり、いわゆる非弁行為を行っている、と指摘されることがあります。しかし、本作品は弁護士法72条の解釈について、実務、学説
において通説とされる事件性必要説の立場で描かれているようです。これによれば、本作品の主人公達の行為はほとんど合法になると考えられます。しかし、日本弁護士連合会が支持する事件性不要説(少数説)の立場からは、当該漫画で描かれている行政書士の業務内容には非弁行為が含まれていると考えられています。

『カバチタレ!』は青木雄二監修、田島隆原作、東風孝広作画により、1999年5月からモーニングで連載されている漫画作品で、大森さんも脚本は原作が漫画作品ということも多く、映画では綿矢りささんの『インストール』にも携わっています。若き受賞者に乾杯!!応援しています。

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