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2009年2月17日 (火)

私の好きな作品たち~寺山修司編

 詩人、歌人、俳人、エッセイスト、小説家、評論家、映画監督、俳優、作詞家、写真家、劇作家、演出家など。演劇実験室・天井桟敷主宰。本業を問われると「僕の職業は寺山修司です」とかえすのが常でした。

 言葉の錬金術師の異名をとり、膨大な量の文芸作品(小説・エッセイ・評論・戯曲・シナリオなど)を発表。その一方で、映画・演劇なども幅広く手掛けました。競馬への造詣も深く、『ユリシーズ』(船橋競馬場所属)という競走馬の馬主になるほど。メディアの寵児的存在で、新聞や雑誌などの紙面を賑わすさまざまな活動を行ないましたね。

 1954年(昭和29年)早稲田大学教育学部国文学科(現・国語国文学科)に入学。山田太一氏とは同級で在学中から早稲田大学短歌会などにて歌人として活動しました。18歳で第2回短歌研究50首詠(後の短歌研究新人賞)受賞しましたが混合性腎臓炎で立川の病院に入院し、ネフローゼと診断されます。

 20歳で処女戯曲『失われた領分』が早稲田大学の大隈講堂「緑の詩祭」で上演され、それを観た谷川俊太郎の病院見舞いを受けて交際が始まりました。21歳で第一作品集『われに五月を』が出版されます。
 1958年(昭和33年)第一歌集『空には本』が出版されました。Higasiyama006 また、石原慎太郎、江藤淳、谷川俊太郎、大江健三郎、浅利慶太、永六輔、黛敏郎、福田善之ら若手文化人らと「若い日本の会」を結成し、60年安保に反対。
 1960年(昭和35年)2月第3作目のラジオ・ドラマ『大人狩り』が放送されます。長編戯曲『血は立ったまま眠っている』も浅利慶太氏の「劇団四季」で上演ました。篠田正浩監督作品のシナリオを担当し、大島渚監督とも出会いました。

 1967年(昭和42年)1月1日演劇実験室・天井桟敷を結成。4月18日草月アートセンターで旗揚げ公演。演し物は『青森県のせむし男』。6月新宿末広亭で第二回公演『大山でぶ子の犯罪』。アートシアター新宿文化で第三回公演『毛皮のマリー』。3月評論集『書を捨ててよ、町へ出よう』が刊行されます。 身体の調子は不十分だったのによくここまでやってこれたことを私は尊敬しています。1983年(昭和58年)東京都杉並区永福在住中に、河北総合病院にて、敗血症で死去。享年49(満47歳没)。死後、青森県三沢市に寺山修司記念館が建てられました。

 寺山修司主宰で演劇実験室を標榜した演劇グループ天井桟敷は状況劇場の唐十郎、早稲田小劇場の鈴木忠志、黒テントの佐藤信と並び、'アングラ四天王と呼ばれ、1960年代後半から1970年半ばにかけて、小劇場ブームを巻き起こしたことは以前にも書きましたね。天井桟敷という劇団名はマルセル・カルネの映画『Les Enfants du Paradis(邦題:天井桟敷の人々)』に由来しますが、寺山氏曰く、「(好きな演劇を好きなようにやりたいという)おなじ理想を持つなら、地下(アンダーグラウンド)ではなくて、もっと高いところへ自分をおこう、と思って『天井桟敷』と名付けた」と言われています。
 創立時のメンバーは寺山の他に、九條映子(当時寺山夫人)、高木史子、東由多加、横尾忠則、青目海、大沼八重子、濃紫式部、小島嶺一、斉藤秀子、支那虎、高橋敏昭、竹永敬一、桃中軒花月、萩原朔美、林権三郎の全16人。『書を捨てよ街へ出よう』などの一連の著作により、若者の間で「退学・家出の扇動家」として認識され人気を得ていた寺山が主宰していること、また劇団創立時のメンバー募集の広告が「怪優奇優侏Higasiyama003儒巨人美少女等募集」だったことなどから、設立から長い間「一癖も二癖もあ る退学者や家出者が大半を占める」という異色の劇団になりました。1983年5月4日に寺山が死去すると、劇団としての求心力を失い、同年夏の『レミング - 壁抜け男』を最後に、同年7月31日をもって解散した。その後、1970年代初頭から寺山の片腕として演出・劇伴を務めたJ・A・シーザーが演劇実験室「万有引力」を設立し、劇団員の多くはそこに移りました。

そして作者としての寺山さんは最後までやさしいさというものを貫かれた方です。詩、エッセイが一番寺山さんらしいと思いますが、例えば、『両手いっぱいの言葉―413のアフォリズム』のような一字に影があるように、一行にも影がありまます。―言葉と発想の錬金術師・寺山修司さんならでは、諧謔と毒との合金のような、文字どおり寸鉄の章句たちです。愛と暴力、快楽と死、賭博と夢、もちろん男と女。つごう52のキィワードの下、広く著作群のなかから集められ、あの鬼才のエッセンスがそのまま凝縮された413言が彼らしいこの一冊になったのもも見逃せません。いろいろな作品から抜き出された言葉なので、前後の文脈が分からないといまいち意味を掴みきれないものも多々あると思います。ですがその意味を想像してみるのも楽しいですし、何より羅列された言葉の中には必ず「お気に入り」が見つかることと思います。その言葉によって救われたり、また歩き始める力をもらえたりするのでしょう。
 童話のように挿絵があり優しい言葉で語られているものも、実は大人が読むべきだと思います。何かが変ります、きっと。

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