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2009年4月 6日 (月)

私の好きな映画たち~レインマン

 私は自閉症に近い症状を起こした事があるので、『レインマン』を観た後、すぐ立ち上がれないほどの衝撃を受けました。
 1988年公開の映画ですから、若い方はご存知ないかもしれませんが、原作のバリー・モローはロナルド・バスと共同で脚本を執筆し、主演はダスティン・ホフマン、トム・クルーズでした。第61回アカデミー賞と第46回ゴールデン・グローブ賞、さらに第39回ベルリン国際映画祭においてそれぞれ作品賞を受賞した素晴らしい作品です。

 26歳の中古車ディーラー、チャーリー・バビット(トム・クルーズ)は、恋人スザンナ(ヴァレリア・ゴリノ)とのパーム・スプリングへの旅の途中、幼い頃から憎み合っていた父の急逝の訃報を耳にし、葬儀に出席するため、一路シンシナティへと向かいました。そしてその席で、チャーリーは父の遺言書を開封し、自分に遺されたものが車1台と薔薇の木だけという事実に衝撃をうけます。同時に300ドルの財産を与えられたという匿名の受益者の存在を知った彼は、父の管財人であるウォルター・ブルーナー医師(ジェリー・モレン)を訪ね受益者の正体を聞き出そうとしますが、医師はそれを明かそうとはしませんでした。

 諦めて帰ろうとするチャーリーは、スザンナの待つ車の中にいReinnmann たレイモンド(ダスティン・ホフマン)という自閉症の男と出会い、やがて彼こそが受益者であり、自分の兄であることを知るのです。記憶力に優れたレイモンドをホームから連れ出したチャーリーは、スザンナも含めて3人でロスヘ旅することにしました。

 ところがある日、チャーリーが遺産を自分のものにするためレイモンドの面倒を見るつもりでいることを知ったスザンナは愕然とし、チャーリーのもとを去ります。兄の後見人となることで遺産の半分を所有しようとするチャーリーは、飛行機嫌いのレイモンドとともに車で旅をすることになりましたが、ある日モーテルに泊まった夜、彼こそがチャーリーの幼い頃の辛いばかりの思い出の中で、唯一心なごませる存在であった“レインマン"であることを知り胸つき動かされ、スザンナに電話で兄の本当の後見人になる決意を伝えました。
 チャーリーとレイモンドがバスルームで歯を磨いていたとき、レイモンドが歌った『歯がガタガタのレインマン・・・』という歌をチャーリーもかすかに覚えていて、一緒に歌い、幼い頃別れ別れになった兄の存在を思い出すのです。こうして兄弟の熱い絆で結ばれた2人は、ラスベガスに立ち寄り、レイモンドの抜群の記憶力でカードで大金を得ました。またチャーリーは、レイモンドが好意を抱いた娼婦アイリスとのデートのセッティングをしたり、ダンスを手ほどきしたりしますが、結局彼女は姿を現わしません。落胆するレイモンドをスザンナは優しくなぐさめ、彼と一緒にダンスをし、2人は静かに唇を重ねました。
 しかしロスに到着した2人を現実の荒波は容赦なく押し寄せ、やがてレイモンドとチャーリーは、兄として弟として、それぞれの路を歩み始めることになるのでした。
 レイモンドが施設へ帰ることが決まり、見送りに行ったチャーリーは『愛してるよ。』と言い、レイモンドは『ベストフレンドだよ』と・・・レイモンドにとってはそれがぎりぎりの言葉だったのだと思います。話によると、最後のセリフはアドリブだったとか・・・
さすがダスティン・ホフマンですね。
 
 そこで自閉症について少々。

・言葉の発達のおくれ…
生涯ひとことも話さない人もいるし,話せても,反響言語(オーム返し)や紋切り型のことばだったりする。また,身振りや表情など別の方法を用いたコミュニケーションもほとんどしない。
・対人関係の困難さ…
乳児期には抱かれるのを喜ばないとか,幼児期になって呼びかけられても振り返らないとか,相手と視線を合わせようとしないなど。学童期や青年期になっても,相手の気持ちを理解できず,友だちと協調して遊ぶことができない 。
・アンバランスな感覚…
身体に触られることには過敏に反応して嫌うのに,けがの痛みには平気だったりする。また,赤ちゃんの泣き声や犬の吠え声など日常的な音をひどく不快がって泣き叫ぶこともあれば,ガラスや金属が擦れ合う音など一般の人には耐え難いような音にはケロッとして平気でいたりする。
・活動や興味の範囲が狭い…
手をひらひらさせたり,紐を目の前にかざして振ったり,身体を前後に揺すったりなど,反復的な動作を繰り返す。また,ミニカーやブロックなどを横一列に並べたり,水道の水を出しけてながめていたりするのに没頭して,他の遊びに興味や関心が広がらない。
・アンバランスな知的機能…
知的機能の水準は個人差があり,発達水準の低い人が多いが,一部の機能が全体の能力と比べて不釣り合いなほど優れていることがある。たとえば,ジグソーパズルや神経衰弱ゲームがやたらと得意だったり,何年も先の暦が全部頭に入っていたり,手芸や絵画がとても上手だったり…。
・変化に対する不安や抵抗…
ものを置く位置や歩く道順,着替えの手順,生活の日課など,決まったやり方にこだわって変化に強い不安や抵抗を示す。

このようにして見てみると,自閉症の人に関わる側の立場の者にとって,彼らの“問題行動”と呼ばれている,いわゆる困った行動をどのように理解するかがとても重要です。
 ここで大切なのは,『問題行動には,意味がある』ということだと思うのです。問題行動が生じた背景にはいったい何があったのかを、冷静に見極める必要があると言えます。

そういった意味で私の問題行動にも,意味があったのでしょう。生活の日課など,決まったやり方にこだわって、変化に強い不安や抵抗を示す・・・その通りに私の行動パターンは決まっていて、そのリズムを壊される事が不安でたまりませんでした。

一度強い恐怖の体験をしたことが、私の場合トラウマとなってそういう行動を起こしたのだと思います。と同時にレイモンドも幼いころ、弟にやけどに似た体験をあじあわせていたと思われますね。それが原因だったかどうかは私の想像ですが、生まれつきの自閉症ではないと私には思えます。

 バリアフリーといっても、障害者には開かれていない扉がいくつもありますね。乗り越える本人の意思も大事ですが、普通に生きている方々にも今一度考えていただきたい問題ですね。そういう意味で『レインマン』を観てみてはいかがでしょうか。

 

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コメント

若干私の記事、訂正いたしました。
このような記事は本当に正確を心がけねばいけないですね。

投稿: KOZOU | 2009年4月 9日 (木) 16時29分

こんにちわ。
こちら昼間ポカポカで車も冷房いる感じでした。

サヴァン症候群の人についてちょっと書いてみました。

投稿: KOZOU | 2009年4月 7日 (火) 17時50分

こんばんわ(*^_^*)
昼間はこちらもポカポカになりました。
いつもコメントありがとうございます。

そうですか。
より強い印象を受けられたでしょうね。
わたしはおおざっぱな知識で自閉症をある程度理解していたつもりでしたが映画や、とこさんの書かれている記事で具体的に理解することができました。
本当に人間はデリケートなものですね。
そしてまだまだ社会的に広く知識や理解が深まったとはいいがたいですね。
とこさんのもどかしい気持ちもわかる気がします。

レインマン、いい映画でしたね。
最初、雨男かと思っていましたが(^_^;)
この言葉の由来もジンときましたね。
ダスティン・ホフマンわたしも好きですがあの迫真の演技、すばらしかったですね。
かなり勉強もしたのでしょうね。
そしてチャーリーが少しずつ兄を理解し愛するようになる。
最後は泣かせますが。
ほんとに自閉症を理解するためにも広く見てほしい映画ですね。
レイモンドにはモデルがあり、実際その人は自閉症ながら、記憶力は人間離れしていたとのことで、自閉症の人にもすごい可能性を持った人がたくさんいるのでしょうね。

ありがとうございました。

投稿: KOZOU | 2009年4月 6日 (月) 20時15分

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