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2009年4月18日 (土)

私の好きな作品たち~モディリアーニ

 私が大学生の頃、モディリアーニの絵画が好きな女の子がいて、その頃私はゴッホや東山魁夷氏の絵に夢中になっていたので、『この絵のどこに惹かれるのかしら・・・』と思っていましたが、彼女の部屋を訪ねて、何度もその絵を見ているうちに私も不思議な事に、気になり始めました。

 モディリアーニはイタリアベニスアカデミーを卒業後の1906年、Mojiriani007 パリへ移住しました。1907年と1912年にはサロン・ドートンヌ、1908年、1910年、1911年の各年にはアンデパンダン展に出品しています。最初は彫刻家を志し、1915年頃まではアフリカ、オセアニア、アジア、中世ヨーロッパなどの民族美術に影響を受けた彫刻作品を主に作っていました。しかし、資金不足と粉塵による健康の悪化などの理由により断念せざるを得ませんでした。でも、その間に残した一連のスケッチからは、後の作品の特徴であるフォルムの単純化の過程を知ることができます。また、絵画の代表作の大部分は1916年から1919年の間に集中して制作されています。モディリアーニの絵画のほとんど は油彩の肖像画であり(風景画はわずか3点)、顔と首が異様に長いプロポーションで目には瞳を描き込まないことが多いなど、特異な表現をとっていますが、これは自身の彫刻の影響が指摘されていまあす。なお、初期にはピカソの「青の時代」やポール・セザンヌの影響を受けた絵を制作しています。
 
 1917年にはベルト・ヴァイル画廊にて、生前唯一の個展を開催しましたが、裸婦画を出展したのが元で大騒ぎとなり、一日で裸婦画を撤去する事態となりました。同じ年、後に妻となり、裸婦像などの絵画モデルを務めた画学生ジャンヌ・エビュテルヌと知り合っています。
 彼女を内妻とし、1918年に長女ジャンヌをもうけるも、貧困と持病の肺結核に苦しみ、大量の飲酒、薬物依存などの不摂生の末、1920年1月24日に結核性 髄膜炎により35歳で亡くなりました。。彼の二人目の子を妊娠していた妻のジャンヌもアメデオの死の2日後、後を追って自宅から飛び降り自殺・・・この時妊娠9ヶ月だったといいます。ジャンヌの遺族の反対もあり、二人の遺体は10年後になってようやくパリのペール・ラシェーズ墓地に一緒に埋葬されました。1歳2ヶ月で両親に先立たれたモディリアーニの娘ジャンヌ(1918-984)はモディリアーニの姉に引き取られ、フィレンツェで育てられたが、はじめは両親をめぐる事実を知らされていありませんでした。後年、自らも美術に携わり、ドイツ表現主義やエコール・ド・パリ、ゴッホなどの研究を経て、父モディリアーニの研究にも従事したそうです。

 20世紀を代表するエコール・ド・パリの画家。エジプトやアフリ カなどの原始美術と故郷イタリアに息衝くシエナ派など古典芸術の厳格性を融合させ、縦に引き伸ばされたかのような面長の顔とアーモンド形の瞳による独自の人物画を確立。類稀な造形性と抒情的で画家自身と同調するかのような独特な人物表現は以降の現代芸術に多大な影響を与えました。友人・知人、恋人などを描いた肖像画や裸婦像、少年・少女など子供を描いた作品がとりわけ有名ですが、数点の風景画も残されています。また彼は驚異的な集中力で作品を一気に仕上げる(早描き)ことが知られており、モデルを前に4時間足らずで作品を仕上げたとの逸話も残されていっます。モディリアーニの代表作『背中を見せて横たわる裸婦』。
 ビュテルヌと出会い、画家として最も精力的に活動をおこなった時期 である191Mojiriani_0037年に手がけられた作品であり、モディリアーニの代表的な婦作品はこの頃に集中して制作されていいます。非常にしなやかで官能的な肢体の曲線を露わにソファーに横たわる裸婦像はモディリアーニの裸婦の典型であすが、画家は同時期に、おそらくスペイン・バロック絵画の巨匠ディエゴ・ベラスケスによる傑作『鏡を見るヴィーナス(ロークビーのヴィーナス)』や、新古典主義の巨匠アングルの傑作『グランド・オダリスク』の構図に基づいた裸婦作品『右肩越しに見る裸婦』を手がけており、古典的な美と、『腕を広げて横たわる裸婦(赤い裸婦、クッションの上の裸婦)』などで示された古典的圧から開放された奔放な(女性)美との融合が見られる本作は、モディリアーニの裸婦作品の中でも特に注目すべき点のひとつでです。また寝そべりながらも、画家の特徴的な表現のひとつであるアーモンド型の瞳の視線は、観者に向けられているのではなく、モデルと対峙することによる画家の自己反映とも解釈することができますね。さらに本作の暖色を多用した怠惰的で退廃的な色彩表現や、画面左上から右下へと流れる裸婦の大胆な姿態や画面展開も、モディリアーニ独特の美的世界観の反映であり、本作の大きな見所です。

 彼の絵のモデルは殆どが首を傾げていますね。それが観者に注がれているのではなく、自己反映とするならあば、私にはそれが、『何故?』とか『可愛そう』と言いたげな顔に見えてしまいます。慈愛に満ちたようにも思えます。イエス・キリストが十字架にはりつけられてうな垂れている姿まで想像してしまうのです。
  
 私ももっと彼を知る為に『モディリアーニの恋人』や『モディリアーニ モンパルナスの伝説』を読んでみようかと思っています。

 モディリアーニの肖像画は時に私の悲しみと共に涙を流してくれるそんな風に絵画を鑑賞するのは私の悪い癖・・・です。

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コメント

Very neat article post.Much thanks again. Fantastic.

投稿: gangbang porn | 2016年7月 9日 (土) 07時37分

こんばんわ。
夜も涼しくならないですね。

モディリアーニはわたしも好きです。
悲しげな顔に何ともいえない哀愁がありますね。生前は認められることもなく、薄幸な生涯にもひかれます。よく彼の絵を分析して書かれていますね。
彼の妻もよほど愛していたのでしょうね。不幸な娘さんがちゃんと成人したとの記事に救われます。

「わたしのストーカー」というショートショートをアップしました。
よかったらのぞいてください。

投稿: KOZOU | 2009年4月19日 (日) 22時08分

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