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2009年4月21日 (火)

私の好きな作品たち~アントニオ・ビバルディ

 有名な「四季」の作曲者、アントニオ・ビバルディは、大作曲家であるとともにバイオリンの名手としても名高く、バロック時代後期の演奏様式や演奏技術にも改革と発展向上をもたらしました。

 1720年代初め頃は、マントバにあるヘッセン = ダルムシュタットの領主だったフィリップ公の楽長を務め、その間2曲のオラトリオなど女子音楽学校のための作曲を続け、またベネチアやフィレンツェなど各地でオペラを上演しました。
 1723年同校は、各地で名声を博したビバルディを引き留めるために、彼がベネチアにいる間は、最低月2回演奏会を行うよう契約しました。死亡年は 1743年7月と信じられていましたが、1741年7月28日に ビーンの貧民墓地へ埋葬されたという記録が発見され、現在ではその7月下旬に旅行先のビーンで客死したものと見なされています。

 イタリアのヴェネツィアに生まれ、オーストリアのウィーンで没しました。サン・マルコ大聖堂付きオーケストラの一員であった、理髪師でヴァイオリニストの父親からヴァイオリンを学び、10歳より教会付属の学校に入り、25歳で司祭に叙階されます。赤毛であったことから「赤毛の司祭」と呼ばれるようになったそうです。祭になると同時にヴェネツィアのピエタ慈善院付属音楽院 (Ospedale della Pieta)でヴァイオリンを教えはじめ、2年後には作曲と合奏を教えるようになります。その後多くの曲を作り、演奏旅行で各地を回りました。
彼の残した作品は、

・500を超える協奏曲(ヴィヴァルディは、写譜屋が写譜するよりも早く、協奏曲の全パートを作曲できると豪語していたといわれている)
・52のオペラ(現在見つかっているオペラの数。ヴィヴァルディ自身は94のオペラを作ったと書簡に記している)                            Sasakura_work06s       
・73のソナタ
・室内楽曲
・シンフォニア
・オラトリオ(現在自筆譜が残っているのは勝利のユディータのみ)
・宗教音楽(モテットなど)
・カンタータ

など多岐に渡ります。

 実はヴィヴァルディは、「四季」という曲は作っていません。彼は、協奏曲をたくさん作りました。題名はついていないものも多く、「○○協奏曲○○調作品○○番」などと呼ばれます。協奏曲を1曲しか作っていなければ、「パッヘルベルのカノン」のように、「ヴィヴァルディの協奏曲」という曲名になるのでしょうが、「ヴィヴァルディの協奏曲」は何百とあって、それだけでは区別がつかないので、このとっつきにくい呼び方をされます。中には、わかりやすい標題がついているものもあって、「喜び」「狩」「恋人」...こういうのは記憶に残りやすいですね。そういう中に「春」「夏」「秋」「冬」という標題の曲があります。つまり、それぞれが、独立した曲なのです。

 協奏曲「春」、協奏曲「夏」、協奏曲「秋」、協奏曲「冬」を、連続して演奏したり、1枚のレコードにまとめて録音したりするときに、「四季」と呼ばれたのが、定着しました。「四季」でひとつの協奏曲、ではなく、「協奏曲集」です。とはいうものの、最初に楽譜を出版するときに、この4つは、楽譜集の始めの4曲として、つながって印刷されていたので、作曲者自身、4曲の間に関連性はあると見なしていたようです。あなたは、どの四季がお好きですか?私は「冬」です。スターダストが見えるくらいのキーンとした寒さが身を引き締め、スターダストが見えるくらいのキーンとした寒さが身を引き締め、そんな中、暖を囲みながら聞いている「冬」はたまりません。私はバロック音楽が好きで、バッハからこのバロック後期とよばれたヴィヴァルディの曲は痛んだ心や悲しみを癒してくれます。

 「協奏曲」とは、合奏パートとソロ楽器による編成の音楽です。ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲『皇帝』」など、有名な曲がたくさんあります。オーケストラをバックにアリアを歌うプリマドンナの役を、1台のピアノとかヴァイオリンとかが務めている、と例えれば、なんとなくイメージがわくでしょうか。

「四季」でその役を務めているのは、1台のヴァイオリンです。ヴィヴァルディはパッヘルベル同様、バッハ以前の古い時代の人です。この時代の協奏曲は、合奏パートもそれほど大きくはありません。曲の規模も、後世の大曲に比べたらかわいいものです。

普通、協奏曲は、「速い楽章」「ゆっくりとした楽章」「速い楽章」の3つの楽章から出来ています(3番目が「もっと速い楽章」になることも、多くあります)。この構成は、後の時代の大作でも受け継がれています。つまり、「春」だけで、3つの曲から出来ていて、それは他の季節も同様です。有名な「春」の最初のメロディは、言うまでもなく「第1楽章」の最初ですから、テンポも速く、春の到来を宣言するような勢いを持っています。続く「第2楽章」は、うららかな日差しの中でまどろむ羊飼いを表現し、本当に気持ちよい眠りに誘われ
そうなゆったりとしたテンポの音楽です。「第3楽章」は、第1楽章よりもっとアップテンポで、春の訪れを喜び踊る人々の音楽。このイメージはヴィヴァルディ自身が楽譜の中に書いているものです。1曲の協奏曲の中には、様々な音のドラマがあPc028_2 ります。聴き終わった時、ひとつの物語を見終えた、読み終えたような充実感がありますよね。

 クラッシックはどうも・・・という方でも絶対何処かで聞いているんで すよね。聞いていて気持ちがいい、だからなのか病院のBGMはクラッシックが多いですね。待ち時間が長いとイライラしますが、クラッシックが流れていると、ふと耳を傾けたり、知っている曲だと一緒
にハミングしたり・・・眠っちゃう人のほうが多いですけど・・・ただで聞けるのに勿体無いと私なんか思ってしまうんですがね・・・

 ちなみにバロックとは、ポルトガル語 barocco (いびつな真珠)が由来であるとされ、過剰な装飾を持つ建築を批判するための用語として18世紀に登場したそうです。転じて、17世紀から18世紀までの芸術一般におけるある種の様式を指す語として定着しました。

 過剰な装飾のない音楽、これが音を楽しむ原点なんですね。

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コメント

おはようございます。
今朝は少し冷えます。

わたしもバロックは好きですね。
四季も好きですが中でも、わたしも冬が好きです。
合いますね(*^_^*)
季節でも冬が好きですね。
キーンと心がしまりますね。
ポルトガル語のいびつな真珠が語源とは知りませんでした。
バッハもそうだし、本当になつかしく心が静まりますね。

いつもコメントありがとうございます。
読書通のとこさんの過分なお言葉、やる気満々になりました(^_^;)
時々小説もアップしますので今後ともよろしくお願いします。

投稿: KOZOU | 2009年4月21日 (火) 07時49分

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