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2009年7月10日 (金)

私の好きな作詞家~北原白秋編

こんな梅雨の季節には、童話や童謡がなぜか懐かしくなります。詩人・歌人。童謡作家でもある北原白秋氏の詩は、優しく、鬱陶しい気分を変えてくれます。

こんな詩がありましたね。

夏の日なかのヂキタリス、
釣鐘型に汗つけて
光るこころもいとほしや。
またその陰影(かげ)にひそみゆく
蛍のむしのしをらしや。

そなたの首は骨牌(トランプ)の
赤いヂヤツクの帽子かな、
光るひもなきその尻は
感冒(かぜ)のここちにほの青し、
しをれはてたる幽霊か。

ほんに内気な蛍むし、
嗅げば不思議にむしあつく、
甘い薬液(くすり)の香も湿る、
昼のつかれのしをらしや。
白い日なかのヂキタリス。

 これは『蛍のイメージを綴った詩です。真夏のヂキタリスの花、その釣鐘状の花の中に隠れ、ぼうっと光る蛍の愛しさ。

 蛍の首のその赤は、トランプのジャックの帽子の色だ。また弱々しい光るその尻は風邪でもひいてるように空ろだ。
消えかかった幽霊のようにボヤッとしている。

その気弱なニオイを嗅ぐと妙に蒸し暑く、甘い薬の香りが漂ってくるようだ。けだるい真夏の白い日中にヂキタリスが咲いている。

そういった意味の詩なのだと思います。夏になるとこんな光景を、観たことも無いのに頭に浮かびます。詩は私にはよく理解できませんが、これが曲をともなって1つの歌になった時、イメージがパアーっと明るくなり、哀愁をおびてその歌の風景が浮かびます。

白秋氏は、 詩集 、 歌集、句集、 童謡・作詞、校歌・応援歌と幅広く人々が口ずさめる詩を残してくれました。

、北原白秋作詞、山田耕筰作曲の唱歌『待ちぼうけ』などはつい人を待っている時に口からでていることがあります。

詩を自分で書けたら、と白秋氏を羨望のまなざしで見ている雨の日でした。

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コメント

北原白秋さんの詩好きです!
なんとも
いえない情緒が
あって
現代にあってはなおさら貴重な
存在の価値を放って・・
詩以外にも多くの才能があって
昔の文人は幅が広かったように思います。

投稿: 茶々 | 2009年7月11日 (土) 21時48分

おはようございます。
上の長島さんの記事、コメントはできないようになっているのですかね。
それにしてもとこさんが長島さんファンとは意外でした(*^_^*)

投稿: KOZOU | 2009年7月11日 (土) 09時06分

こんばんわ(*^_^*)
今日は一日出ていて遅れました。

白秋、生家はわたしのふるさとから10キロほどの柳川です。こちらでは白秋は未だに生きていて、毎年白秋祭りとかあります。
この詩も読んだ覚えがあります。
白秋言葉が実に豊かですね。
辞書の言葉ををかたっぱしから覚えていったという話ですがこの詩も言葉が豊かでイメージが広がりますね。
「首は骨牌(トランプ)の赤いヂヤツクの帽子かな」彼らしい鮮やかな比喩ですね。
詩は心でなく言葉で作ると言いますがほんとにそう思いますね。
心がどんなに感動し、あるいは苦悩し、悲しんでもそれ自体は詩ではない、それを形に表現して詩に、当然といえば当然でしょうが、言葉を選ばないただ感情だけを表出した「詩」が
多い中、大事なような気がします。

メールアドレス、任意にされたのですね(*^_^*)
それでいいと思います(*^_^*)

投稿: KOZOU | 2009年7月11日 (土) 02時13分

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