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2009年7月27日 (月)

私の好きなドラマ~『風のガーデン』

 もう昨年の10月からあっと言う間に過ぎてしまいましたが、私は昨年観ていなくて、つい先日再放送で観ることができました。緒方拳さんがあんな最期をとげなければ、おそらく再放送も観なかったでしょう。というのは最近の倉本作品には昔書いたものほど、感動で
きなくなっていたからです。『風のガーデン』もそういう意味で、観てがっかりするのが嫌だったからなのです。

 でも、こんな特別なドラマになるとは思ってもみませんでした。Gadenn001 おそらく大抵の方がご覧になったと思うのでストーリーは割愛します。

 倉本氏は『死を目前にした一人の麻酔科医を主人公に、「人が最期に帰る場所」を描くドラマです。タイトルにもある「ガーデン」には、三途の川を渡るところの向こう側に見える花園、という意味合いがあって、どうやってそこへ行き着くのか、つまりどう最期の時を迎えるのか、ということを描いてみたいと。家庭崩壊、ターミナルケアなど、今の日本で問題になっていることをベースに据えながら、死ぬということについて考えた作品です。
 設定を麻酔科医にしたのは、痛みを取り除く専門家である医師が、自分が末期癌だということになったとき、どう自分を死に向かわせるんだろうかという発想があったからです。死を目前にしたとき、恐れと生きたいという気持ちとが自分の中でどういう状態になるのだろうかということを、僕なんかはリアルに考える年齢なんですよね。
 

 医療、花、ガーデニングと、取材は非常に大変でしたが、本当にいいキャストを組むことができて、脚本はすごく書きやすかったですね。ただ、書きながら感情移入しすぎてしまい、身体を壊しまして。昨年は精密検査を2回も受けたんですよ。
 富良野を舞台にした連続ドラマは三作目となりますが、これが最後になるかもしれないし 、それゆえにこういった「人が最期に帰る場所」というのをテーマに選んだというのもあるんです。『北の国から』は富良野の東側、富良野岳をバックにしたドラマでしたが、今度は西側、芦別岳を背景としてガーデンがあるシチュエーションだし、冬のドラマだった『優しい時間』に対し、今回は春から秋を中心にした景色が背景になるので、また違った富良野の表情をご覧に入れることができるのではないかと思います。』とおっしゃっていましたね。

 ドラマの中の生と死ではなく、息子が苦しんでいる時の緒方さんの表情が何とも言えず、笑っている顔すら観ていて涙が止まらず、なんて神様はこんなこGadenn008 とをするのかと毎回泣きました。
 
 奇しくも緒方さんが演じたのはターミナルケアを専門にする老医師で、中井貴一さん演じる末期ガンの息子を看取る役という役。劇中では病気を隠すのは中井さんの役でしたが、現実には緒方さんが本物の末期ガンを隠していました。このドラマが放映される頃に、自分は死ぬことを覚悟しての演技だったはず。緒方さんが文字通り命を懸けた、最後の芝居が観られました。

 人は最期に何処に還るのでしょう。倉本氏脚本『北の国から』『優しい時間』に続く、富良野三部作の集大成。美しき花が咲き誇るガーデンを舞台に、死を目前にした男を通して家族の絆や生きること、死ぬことを描いた人間ドラマを緒方さんにはどう写っていたのいたのでしょう・・・

 ドラマのために、2年がかりで造成した富良野の美しく広大なブリティッシュガーデンをBlu-rayで堪能できる「風のガーデンに咲く花々富良野から~」のドラマスピンオフBGVも発売中です。倉本脚本作品が続々リリースしています。
フジテレビドラマ初のBlu-ray化として「北の国から」からは、11/19発売「'95秘密」、12/17発売「'98時代」、1/21発売「2002遺言」。
そして、2009年1月21日には「6羽のかもめ」が、2009年2月18日には「ライスカレー」が発売されるなど不朽の名作が続々リリース決定となりました。  Hosino001

 『6羽のかもめ』でも加藤さんと言う役者さんがドラマの中で死ぬシーンがあり、その後、本当に加藤さんは帰らぬ人となったことがあり、その事を倉本氏はとても悔いていました。

今回もおそら倉本氏は大きなショックを受けている事でしょう。大天使ガブリエルとなって空に旅立ったと思いたいです・・・

 もう一度、生と死を見つめなおしているのかもしれませんね。そうあってほしいです。

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コメント

こんばんわ(*^_^*)
北の国からは感動して見ていましたが、これは見なかったですね。
緒方拳さん、ほんとにいい役者でしたね。
年齢と共にますます磨きがかかるような。
これは見たかったですね。
最後の時期を記録したドキュメンタリーは見たのですが。
まずタイトルがいいですね。
「風のガーデン」はかない美しさをこれだけで想像します。
富良野は一度だけ行きましたがあのロケーションがよかったです。ま、北海道はどこでもいいのでしょうけれど。
書かれてあるようなテーマ、緒方さんの演技は鬼気迫るものさえあったかもですね。
わたしも年が行く」と生と死にういてはよく考えます。
「最後に帰る場所ですからね。
わたしのおやじは死ぬ直前、臨死体験の話をしたことがあります。それこそ絵に描いたような三途の川と賽の河原でした。けして信仰心が強かった人ではなかったですが、教えられたイメージは無意識にも焼き付いているのでしょうね。
そのまま亡くなっていればそのイメージのまま、意識が消えるわけで宗教は救いになると思いました。ましてその向こうに花園、最高ですね。
逆に最後地獄のイメージが出たら最悪ですが(^_^;)
いつもコメントありがとうございます。
レスを書いていますのでいつかご覧になってください。

投稿: KOZOU | 2009年7月27日 (月) 02時26分

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