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2009年11月 3日 (火)

私の大好きな音楽家~フランツ・リスト

 私は中学時代にどれ程偉大な音楽家の演奏をレコードで聴いたことか、数え切れません。成長期においてクラッシックを聴くことは、その後の人生においてとても必要不可欠になりました。

 バロック期の音楽は繊細でかつのびやかなところが好きですが、モーツアルトやベートーベンとまた違った色合いのリストの曲は、聴くたびゾクゾクさせられます。僅か15歳にしてピアノ教師として家計を支えたほどで、もう老体になったベートーベンも絶賛したほど、有名な曲を残しています。

 奏技術に関しては、どんな曲でも初見で弾きこなしたと言われ、彼の死後100年以上経っている現在においても、いまだに彼を超えるピアニストは現れていないと言われています。その技巧と音楽性からピアニストとして活躍した時代には「指が6本あるのではないか」という噂がまともに信じられていたそうです。それはオーバーな表現としても、幼少時から指を伸ばす練習をし、10度の音程も軽々と押さえられたとされます。彼の曲には両手を広げての4オクターブの音が多用されました。また速いパッセージでも音数の多い和音を多用しました。

 リストの演奏を聴いた人々の文献によれば、繊細ながら非常にRisut001 情熱的で力強い演奏をしていたとされ、演奏中に弦が切れたり、ピアノのハンマーが壊れることが度々あったといいます。そのため、最初から3台のピアノを用意して演奏をしたこともありました。1台が壊れたら次のピアノに移って演奏、といった形で・・・凄すぎません?また、リストは即興に重点を置いていたため、楽譜はおろか鍵盤すら見ずに、絶えず生み出されるピアノの音に耳を傾けて演奏をしていたと言われているものファンを熱狂させた要因であると思います。

 作曲人生は大きくピアニスト時代(1830年~1850年頃)、ヴァイマル時代(1850年頃~1860年頃)、晩年(1860年頃~没年)と3つに分けられます。

 ピアニスト時代は、オペラのパラフレーズなどの編曲作品を始め、ピアノ曲を中心に書いいたそうです。このころの作品は、現役のピアニストとしての演奏能力を披露する場面が多く含まれ、非常に困難なテクニックを要求する曲が多くありました。ジャズの即興ピアノに近いかもしれませんね。

 ヴァイマル時代は、ピアニストとしての第一線を退きましたが、作曲家としてはもっとも活躍した時代。彼の有名な作品の大部分はこの時代に作られているといえます。ピアノ曲もテクニック的にはまだまだ難易度が高く、過去に作った作品を大規模に改訂することも多かったそうです。また、ほとんどの交響曲や交響詩はこの時期に作曲されています。「ピアノ・リサイタル」という形式はリストによって完成しました。

 晩年になると、以前彼がよく作っていた10分以上の長大なピアノ曲は減り、短く無調的になります。この時期の音楽はピアニスト時代、ヴァイマル時代にくらべ、深みのある音楽が増えました。特に1880年以降、5分以上の曲はほとんどなく、しかもさらに音楽は深遠になっていきます。最終的に彼は1885年に『無調のバガテル』で長年求め続けた無調音楽(全音階的でない)を完成させました。

 私が初めて聴いた曲は『ハンガリー狂詩曲第2番ヘ短調』で、音楽の教科書に載っている少し神経質そうな顔をした写真と共に怖いイメージがありました。

『愛の夢』(2曲目)、『3つの夜想曲』なども素晴らしく、このような題名は交響詩といって、リストが標題音楽に交響詩というジャンルを確立したものです。『ラ・カンパネッラ』(今お聴きの曲です)で有名な『パガニーニ大練習曲』はパガニーニの原曲によりながらも独創性の強い作品なので、通常は編曲とは看做さずオリジナル作品に分類されました。

 しかしリストは同時期のショパンやワーグナー、ベルリオーズに比べ、かなり低い評価しかされていません。もともと、ショパンとは全く違うタイプで比較するほうがおかしいのですが、「交響詩」という形で実が結び、後のスメタナやドビュッシー、リヒャルト・シュトラウス、レスピーギ、シベリウスなどによって受け継がれ、多くの傑作が生まれた事も事実で、そこは高く評価されていいと思います。

 彼の曲は決して癒しを求めるものではないけれども、何かに必死に取り組む姿を連想させ、ピアニストなら誰もがその巧みな業を披露したくなるのではないかと思います。

 ここでは辻井伸行さんとフジ子・ヘミングさんの演奏でお楽しみ下さい。

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コメント

私の大好きな音楽家~フランツ・リスト: ぶんげいたんさく

投稿: Jordan 6 World Cup Brazil | 2014年6月25日 (水) 06時28分

おはようございます。
今朝も寒かったですが昼は少し暖かくなるのですかね。
北海道は寒いでしょうね。

とこさん、いつも読んでいただきコメント大変ありがとうございます。レスを書いていますのでいつかご覧になってください。
あのような絵を見るとやはり芸術はテクニックではない、魂だと思いますね。

投稿: KOZOU | 2009年11月 4日 (水) 09時18分

KOZOUさん、こめんとありがとうございます。
リストはとても気になる存在でした。でもリストと言う人を知るのが怖いと言うイメージがあって今まで書かなかったたのですが。改めて聴いて、それも辻井さんも演奏をきいて、これだ!と思いました。リストも辻井さんもそこに世界があって入っていいよと扉を開けてくれたような感覚におそわれました。音を楽しむこととピアノの技巧を楽しませてくれますね。
 私は一応の基礎知識はありますが、やはり、ピアノやチェンバロは憧れます。みんなで○○の手習いというのを始めましょうか(笑()。
 お疲れのところ、ありがとうございました。

投稿: とこ | 2009年11月 4日 (水) 04時54分

こんにちわ。
こちらも寒くなりましたが北海道は雪が降ったそうですね。

リストは大好きですね。
ラ・カンパネラは特にいいですね。
辻井さんの演奏もすばらしいです。
確かに書かれていますように癒しには遠く、むしろ精神を高揚し酔わせる曲が多いでしょうが、愛の夢のような曲も作っているですよね。
ハンガリー舞曲も彼ならではのすばらしい曲ですね。
と、偉そうに書いてもわたしはご幼少のみぎりのおもちゃの卓上ピアノ以外弾いたことはありません(^_^;)
もしもピアノが弾けたならと言う曲がありますが極めて実感ですね。
なにか一つでも弾きこなせたら人生、また数倍楽しくなるでしょうね。
とこさん、オルガンを弾いていらっしゃたのなら基礎はありますよね。
これからもまた(*^_^*)
それにしても記事を見てもリストはまさに天才というか鬼神のような感じも受けますね。
やっぱ人間すごい人はすごいですね。
曲も堪能しました。

投稿: KOZOU | 2009年11月 3日 (火) 16時31分

茶々君のご主人様、コメントありがとうございます。
ご主人様は本当にいろんなことに興味を持ち、実践なさっていて、尊敬します。ピアノ、いいですよね。私は幼稚園時にオルガンを習い、小学生になったらピアノを習うはずでしたが、親の転勤で僻地に行かされ、ピアノは断念しました。でもオルガンだけでも♪が読めたり、ギターのコードも覚えやすかったりしたのでよかったと思っています。トライしてみたらいかがですか?でもフラメンコギターも魅力ですねえ。私も悩みます。

投稿: とこ | 2009年11月 3日 (火) 07時52分

音楽はいろんなトラウマがあり
苦手です。音痴なのでカラオケも数回
しかしたことないのです。

でも
フラメンコギターにあこがれ
ピアノにあこがれ
バイオリンにあこがれ
トランペットにあこがれ
はては津軽三味線にあこがれます。

身体が動けるうちにトライを
したい。
この前近くにピアノ教室のチラシが・・・
思案中です。

投稿: 茶々 | 2009年11月 3日 (火) 06時51分

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