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2010年3月 8日 (月)

映画『いそしぎ』

 you tude でジャズを聴いていた時、このいそしぎのテーマ曲が流れてきました。あまり映画は記憶が無かったのですが、こんないい曲が流れる映画は、さぞかし素晴らしいだろうと思って調べてみました。

 あらすじは、カリフォルニア海岸に建てられた一軒家に、無名の画家ローラ(エリザベス・テイラー)と、9歳になる息子ダニーが、世間に煩わされることなく、自由な生活を送っていた。ところがある日、ダニーはなかば強制的にミッション・スクールに入れられることになった。
 宗教家の校長エドワード(リチャード・バートン)と、彼の妻クレアー(エヴァ・M・セイント)はダニーばかりでなく、世間知らずで、自然児のような母親ローラをも教育する必要があると感じた。そしてたびたびローラと接触するうち、エドワードは彼女の裸の人間性に強い魅力を感じるようになった。ローラの過去はほとんど謎だった。ただ学校の理事ヘンドリックスにると、彼女は不幸な恋愛のすえ、私生児ダニーを生み、彼の援助で美術学校に通ったのだという。

 この頃、エドワードは、新しい礼拝堂を建てる計画を進めローラにも協力を求めた。しかし彼女は、その建築費を貧しい子供たちの教育費につかった方がいいというのだった。自ら無神論者だと言いきるローラの前で、エドワードの宗教観はくずれそうになった。

 数日後、ありあまる自由を持ちながらも、やはり孤独だったローラは、訪ねてきたエドワードに身をまかせた。罪の意識を失くした彼は、妻を偽り、傷いえたいそしぎが、大空をはばたくように、ローラと旅に出た。2人の関係がそれとなくクレアーの知るところとなった。  思いあまったエドワードは真実を告白した。むろん彼女は許すことができない。一方、ローラにとっても自分たち2人だけのことを、たとえ妻といえども人に話したということは許せなかった。学校を辞めたエドワードは、もう一度考えてみるというクレアーを残し、ひとり、旅に出た。いそしぎの飛び交う海岸では、ローラが絵筆をとっていた。

 こう書いてしまうと不倫の恋のお話?でチャンチャンとなりそうですが、私はもっと深い感情を抱きました。ローラは常識人ではないかもしれません。でも礼拝堂を造るより、子供の教育費に、と思うローラは純粋です。私は無神論者ではありませんが、教会を大きく、立派にする余裕」があるなら、もっと有意義な使い方をして欲しいと思うのはいけないことでしょうか。エドワードの宗教観が崩れそうになる、それが本来あるべき姿のような気がします。神を信じて生きるがゆえに見えなくなってしまうことがあるのは確かだと思います。

 ただローラのダニーへの教育は自由奔放過ぎて、眼に余るものはありましたから、学校くらい行ったほうが、人間関係は作れると考えます。

ローラとエドワードの間には確かに恋愛感情が生まれたのでしょう。そしていそしぎのように飛びたかった。。。でもエドワードは妻に告白しますね。ここのところは『恋におちて』とよく似ています。妻としては、ただの浮気より、本気になってしまわれることが一番酷なのです。

ローラはそういうクレアーのことを思って秘密にしておきたかった。ローラも苦しんだのだと思います。自分も昔苦しんできたから気丈に振舞ったのだと思います。ただ、のらりくらりと自由奔放にしていたわけじゃないということが、だんだん解ってきます。ラストで一人海岸で絵を描く姿はこうして生きていくことを私は選んだのだという決心と本当は淋しい哀愁が漂って音楽が盛り立ててくれています。

 ただ救われないのはエドワードですね。色んなしがらみから開放されたローラとの時間は本当に素晴らしく思っていた、でも、妻に対する感情が無いわけではない。。。でも一人旅に出る。。。この行為は。。。男もつらいよ、ですかね。(すみません、男心が解らなくって)

 と、音楽の中にある哀愁をタイアップさせてしまいました。リズもある程度歳を重ねていい顔になっていますね。若い頃より好きです。

メロドラマの原点とも言われていますが、今時のメロドラマはもっと純粋さに欠ける気がするのは私だけでしょうか。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

Im obliged for the blog.Thanks Again. Great.

投稿: perfect tits | 2016年7月 8日 (金) 15時16分

KOZOUさん、お帰りなさい!!!
ヒマラヤが見え、壮大な気持ちになったのでしょうね。登りたいと血が騒いだのではないですか?
でもインドは混沌としているのですか、テレビじゃいいところしか写しませんから、想像がつきませんが。。。

 いそしぎ、これは音楽に惹かれて後から映像を観たのですが、できればちゃんとDVDで観たい作品です。

>真面目な信仰者であればあるほど考え、信仰に疑問を持つこともあるのでしょうね。

そうなんです、だからエドワードを責める気になれないし、彼なりの葛藤を思うとやはり辛いなと思います。
 でも一番ローラが可愛そうでしたね。奥さんのもとへ返っていく男性を愛する、結末がわかっていながら、愛してしまう。。。本当に当時としいては珍しい作品ですね。

 眠っているエドワードの顔のそっと手をやりいとおしんでるローラの姿はうるうるしてしまいます。
 私もエドワードは妻を愛していたから、本当のことを打ち明けたのだと思います。ずるければ、嘘をついていたでしょうね。
 リズも黄金期より好感が持てました。本当に珍しい役でしたが、リズだから出来た役のような気もします。

長くなってすみません。お疲れなのに。
ありがとうございました。

投稿: とこ | 2010年3月 9日 (火) 05時57分

こんばんわ。
無事に帰ってまいりました。
ヒマラヤの荘厳とインドの混沌、とてもいい経験でした。
またよろしくお願いします。

「いそしぎ」、曲も映画もほんとに懐かしいですね。
リズ、ほんとに銀幕のスターという感じがふさわしい時代を作った女優、そして名優リチャードバートン、スターのオーラがあふれていますね。
ローラの造型も大好きです。
このような影のある役、リズには珍しいような。
筋金入りの唯物論者としては大いに共感します(^_^;)
書かれていますように真面目な信仰者であればあるほど考え、信仰に疑問を持つこともあるのでしょうね。
そのような人は共感し好きです。
西洋人にとってはいまなお大きな問題なのでしょうね。
エドワードもよくとれば妻への思いやり、悪くとればずるさなのでしょうけれど前者に思いたいですね。
しのぶさんが書かれていることは至言ですね。
確かに男はいざとなると覚悟が薄いような(^_^;)
このようなテーマであの時代よく映画を作ったものだと思います。

たくさん書いてあり、興味あるのも多いのでまたぼちぼち読ませていただきます。

投稿: KOZOU | 2010年3月 8日 (月) 21時17分

 しのぶさん、こんにちわ。
いつもありがとうございます。
作り手の苦労、これはあるでしょうね。大人の作品で純粋といのは本当に難しいと思います。

>女の浮気は覚悟のもと、男の浮気はとっさのもの

確かに(大うけ)。

ちなみに、今テレビでハートロッカーがアカデミー賞を殆ど貰ったみたいですね。夫婦対決も妻の勝ち(笑)。

女が強くなったのか、男が弱くなったのか。一概には言えないですが。。。

 ありがうございました。

投稿: とこ | 2010年3月 8日 (月) 17時05分

茶々君のご主人様、こんにちわ。
いつもありがとうございます。
このいそしきのメロディはいいですね。そして本当に純粋な恋物語ですね。誰の立場になっても辛い、でも甘く優しいストーリー。
ホントに韓国ドラマは何十年も前の感覚に捕らわれますね。おばさま方が思いをはせるのもこういう映画が背景なのかと考えさせられます。あと10年したら私は○歳!?おぞましいです(笑)。
 ありがとうございました。

投稿: とこ | 2010年3月 8日 (月) 16時47分

 こんにちは。
 まったくしらない映画でしたが、動画ととこさんの解説で、かなり気になってきました。(笑)

 女の浮気は覚悟のもと、男の浮気はとっさのものと、誰かが言い訳しておりました。本当か嘘かはわかりませんが。(笑)
 
 最近のメロドラマは、純粋に恋愛を描くだけじゃなく、事件を起こしたりしてバラエティにとんだ作りになっていますからね。。まぁ、使い古された作りにはできない事情もあるのでしょうから、新たな要素をどんどん加えて行く結果、純粋な側面だけじゃ勝負できなくなってきているんじゃないかと思います。
 世相の反映と言うよりは、作る側の苦悩の結果だと思いますね。
 音楽でもジャンルの垣根が取り払われて多様化していってますが、これも同じ理由からです。

 作り手にとっては難しい時代になっています。(笑)

投稿: 酒井しのぶ | 2010年3月 8日 (月) 15時06分

なつかしい音楽と映像ですね。
リズの愛称もとっても懐かしい響きがします。
メロドラマの響きも、

あまりみないのですが、いまのはお金も絡んだ愛憎劇のようなちょっと違うような気がします。当時のは不倫にも純粋というか?純愛ドラマですかね。不得意ですいません・・

韓国ドラマがいま山のように流れていますが、たぶん
純粋さにおいて、この時代に近いなにかが
いまの視聴者に受け入れられているのかなってかってな
想像しています。

10年経てばまたメロドラマは変わるのでしょうね。そのとき
自分は70近くどんな感覚になっているのかな?っておもいました。すっかり枯山水かな?

投稿: 茶々 | 2010年3月 8日 (月) 05時56分

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