書籍・雑誌

私の好きな作品たち~庄司薫

 1958年、本名で東京大学教養学部文学研究会機関誌『駒場文学』第9号に発表した『喪失』で中央公論新人賞を受賞し、その後9年間筆を絶ち、私達が良く知る『赤頭巾ちゃん気をて』『さよなら怪傑黒頭巾』『白鳥の歌なんか聞こえない』『ボクの大好きな青髭』と東大を目指す薫クンの作品が次々と発表され、その後の『おおかみなんか怖くない』は私のバイブル的存在でした。

『喪失』はあまりにも難しかった為、その後筆を絶った理由は私にD4_3 は理解できませんでしたが、『狼なんか怖くない』を読んで、彼の苦悩が少しだけ解った気がしました。

 中学の頃『白鳥の歌なんか聞こえない』をNHKで放映していた のを訳も解らず観ていたのですが、兄がこの4部作をそろえ楽しそうに読んでいたことを覚えていて、私もいつからか庄司ファンになっていったのでした。

でも『ぼくが猫語を話せるわけ』の頃から少し物足りなさを感じ始めていたのも事実です。

ところがネットで調べていると、なんとあの村上春樹氏が庄司氏の影響を受けていることを知り、ということは、庄司氏もサリンジャーの影響を受けていた訳で、なるほどと合点してしまいました。確かに、庄司氏の時代にあの4部作を書くのは他の作 家とは全く違った作風でした。主人公の薫クンもゆみちゃんも純粋だからあんなに大人の世界との境界線で迷ったり、悩んだりしたのでしょう。

 ゆみちゃんが薫クンに「あなたって蛍光灯みたいね」といったセリフ「あなたがとてもとても好きです」と書き綴ったメモは今でも私の中で蘇ってきます。また読みたくなりました。

 まだ読んだ事の無い方はこの4部作プラス『おおかみなんか~』のシリーズはお勧めします。

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私の好きな作品たち~夏目漱石編

 私が漱石氏の作品を本格的に読んだのは、やはり二十歳を過ぎた頃でした。昔の作家と思われる方が多数だと思いますが、私が今になって学んだ事は、”無償の愛”、”献身的な愛”だったと思われてなりません。そして人間のエゴについてです。

 相手になにも要求しないで献身的に人を愛することの尊さは美しいとこころから思えます。でも人間はいつもどこか利己的で、自分が愛す者の為なら誰かを傷つけても仕方がないとどこかで割り切って生きていることって多いですよね。誰も傷つかず生Higashiyama_work19s きていけるとしたらそれは軌跡なのかも知れません。

 それを熟知していた漱石氏はいろんな作品の中で”幸せ”を”仕合わせ”と言う言い方しかできないのではないかと創造してしまいます。東野圭吾の『容疑者Xの献身』を読んでふっと漱石氏の作品を思い出したのは私だけでしょうか・・・

 愛する事の難しさ、尊さが次から次へ作品になって表れます。でもとても苦しい、苦い、そんな気持ちも現れてくるのです。『行人』『それから』『明暗』『彼岸過ぎまで』などなど、とても一つの作品だけを取り上げるのは難しいです。

 

だから、出来れば全部読んで欲しいといわざるを得ません。そしてもう一度考えて欲しいのです。人間という生きもののことを・・・そして教えてください、生きていく事に臆病にならない方法を。

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私の好きな作品たち~村上龍編

 こういうことは珍しいのですが、私は作品より龍さんに興味をいだいてこの20年くらい彼を観てきました。事の始まりはテレビで『りゅーずバー』と言う30分番組を観るようになったのがきっかけでした。

正直、彼の作品は読むのにかなり勇気が必要でした。『限りなく透明に近いブルー』で、あ~気持ちが悪い!と思ったのが第一印象でしたから・・・

 でもテレビでは好印象で、何でも真面目に懸命に話される姿は、「この人、何かやるぞ」
なんて思ってしまったのです。現代に背を向けないで立ち向かっていくのは作家としても大
変だろうと、感じたものでした。あのころは『ノルウェイの森』受賞おめでとうなんてからかわれていましたが、いまでは現代を斬る大切なファクターをもった貴重な存在になったのではないでしょうか。病める若者たちと接しながら、真剣に討論し、次々と作Picasso_work06s 品を世の出していった村上龍さん。今の人間像を知りたいのなら是非彼の作品に接して見るべきだとも思います。その点、私は読書を怠っていますので、大きな声ではいえませんが、最近の若い作家の書く作品に村上氏の影響を感じることがあります。悪い事をしているという意識がなく、悪いものに染まっていく人々の姿はどうにかしなければという危機感を持たせてくれます。『コイン・ロカーズベイビーズ』『トパーズ』どれも時代のお落とし子です。

 これからも、彼共々、彼の作品に目を向けていかなければならないと実感しています。

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私の好きな作品たち~太宰治編

 突然時代を遡った作品の登場です。太宰作品は中学・高校の教科書には欠かせない存在でしたね。でも中学生が太宰氏を理解するのは今になって思えば困難極まりないと思えます。
 確かに『走れメロス』はストーリーも解りやすく、教材向きかもしれませんが、太宰治と言う人間像は決して語りつくせないと思うのです。私自身中学時代に何冊か読んでみたけれど、危ない作家だな、くらいにしか感じませんでした。本格的に太宰や夏目漱石、森鷗外らに向き合ったのは成人を過ぎ、病気を患った時期からでした。

 太宰氏の本当の心の純朴さと真正面で向かって、初めて彼の作品の素晴らしさが解るなんて遅すぎると思う方のほうが多いでしょう。何度も心中を試みたり、投げやりに世間を
非難することも多かった彼の作品は、生きていく事がどんなに難しいかを教えてくれまし
た。青森の大家に生まれつつも、面倒をみてくれたのは乳母で親と言う存在を探し求め、
優しい女性達に助けられ、「生まれてきていいのですか」と自問自答を繰り返す日々。

 そこで生まれた小説の主人公や女性達はなんて暖かな人たちなのだ Bin0706291938530010 ろうとうっとりしてし
てしまいます。最初に男性の描く女性がこんなにも美しく、はかないことに驚かされました。いつまでも『待つ女』、献身的ででしゃばらない女性たちは私の理想の女性像を作りあげました。どの作品も私を裏切らない(混沌とした一時期をのぞき)ものでした。
 『斜光』は唯一テレビドラマ化された事のある作品ではなかったでしょうか。
 『人間失格』も何度も読み返しているうちに自己反省に心が芽生え ていったのです。

 高校の国語の先生が「私は夏目ファンですが、太宰は好きになれません。」とおっしゃっておられましたが、私は太宰死も夏目氏も全く違う作風ですがどちらも好きなんです。

 私はあの時代に生まれてくるべきだったのかもしれないと思うことしばしば。何もかもぴたっと感覚が合ってしまうのは不気味にさえ思えます。太宰の作品の主人公のような男性なら付いていってしまいそうです。一度読まれた方も今読むと違った視点がみつかるかもすれませんね。

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私の好きな作品たち~内田康夫編

 内田氏といえばもうTVで有名になった『浅見光彦シリーズ』と{信濃のコロンボシリーズ』でしょうね。私は最初水谷豊が浅見役で出ていたTVのシリーズで内田氏の作品を読むようになったので、どうしても浅見さんを水谷豊とだぶらせてしまって読んでしまったのですが、後々、浅見役をしてきた方々はどうもピンとこなくてTVはなるべく観ないようにしていました。水戸黄門の印籠のように刑事局長の弟君でありますか、ははあ~なんていうのも、本の中ではそんなにデフォルメされていないのにと、一人で憤慨していました。

 なかでも私のお気に入りはやはり、『小樽殺人事件』と『札幌殺人事件』は格別な思いで読みました。『小樽・・・』は言うまでも無く、犯人が解った時点で自殺Photo_2 するのではないかと推測できたけれど、『札幌・・・』はなかなか犯人が解らなくてバックになにやら大きな組織が動いているという所などは読んでいてホントにあるかもと思ってしまいました。

 内田作品は時代を遡って、子供の頃に受けた心の傷や学生時代に侵した罪を背負っていき続け、殺人に至ってしまうというストーリーが多いように思います。ですから、最初は何だか解らない場面がつづられていても、それが大きなヒントになるということが多く、さらっと読み流せないところがまた面白いと思うのです。やがて内田氏自身も登場してきて、のん気に囲碁だか将棋を
やっている場面もでてくるのも彼らしい演出だなと関心してしまいます。

 それから浅見光彦に妹がいたこと、ご存知でしたか?ドラマでは脚色されていましたが後鳥羽上皇の伝説を探しに友達と二人で旅行し、泊まった先で話しが盛り上がった男子学生に暴行をうけてしまい、その直後のなだれに巻き込まれてなくなってしまったのです。浅見さんに妹がいた事自体、ショッキングだったのにそんななくなり方をしていたなんてホントに驚きでした。

 これからも光彦シリーズは続くでしょう。それは浅見光彦ファンがいらっしゃるからでコナン・ドイルのシャーロック・ホームズのように読者が主人公はいつまでもいて活躍して欲しいという要望が殺到しているからだそうです。ちょっとシャイで男前の浅見光彦様、これからもご活躍を応援しています。


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私の好きな作品たち~綾辻行人編

 東野圭吾に続き、ミステリ作家の登場です。綾辻氏は遅筆で有名で、年に何作も書かれないので次回作が本当に待ち遠しい作家です。

初めて読んだ『十角館の殺人』は特に印象的で、犯人が誰なのかを知りたくて、一字一句見落とさないようように読んだことを思い出します。イメージするだけでワクワクするその作品の構成は本当に見事だと言わざるを得ません。この館シリーズは、何作も続きましたが、どれも巧妙な手口で我々を欺いてくれました。彼の作品名に~の殺人とついているのには訳があって、彼が松本清張のミステリに病みつきだったころ、ミステリだとばかり思って読んでいた作品が全くミステリではなかったという彼にしてみればがっかりさせられた記憶があるらしく、自分の作品にはこれはミステリですと言わんばかりA70 のタイトルがつくことになったそうです。

ストーリーも、よくある2時間ドラマのような犯人が解ってから犯人が犯罪を犯した理由や背景を淡々と語り犯人が泣き崩れるなんてものではなく、犯罪心理はまさに現代が抱える病いといえる理解し難いものとなっており、ホントにありそうなお話でコワっと思ってしまいます。

 館シリーズとは一線をはくしたささやきシリーズも実は私のお気に入りで、犯人の意外性に、なるほどと感心してしまいました。

 

そして『殺人鬼』に至ってはもうこれでもかといわんばかりの不気味な描写が、夢に出てきそうで怖かったですね。決してドラマや映画には出来ない作品だと思います。というか、してほしくないですね。自分の中で膨らんだイメージを壊されたくないっていうのが本音でしょうか・・・
 これからも読者を欺き続けてください!!

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私の好きな作品たち~向田邦子編

 また、脚本家が専門の方のお話です。倉本聡氏らと共にテレビの黄金期に活躍された向田さん。飛行機事故というショッキングな死をとげてからもう20年以上が過ぎましたが、彼女の作品は昭和のという時代にとても必要なものであったと思います。

今ではお正月過ぎに2時間ドラマと言う形でその懐かしさを観ることができますが、年に一度というのはやはり淋しい・・・ちゃぶ台をひっくり返すお父さん、いつも控えめなお母さん、反抗しながらも親のありがたみを知っている子供達・・・そう、一昔前の日本の風景が今ではこんなにもいとおしく思えるのは良いのか悪いのか・・・

 私は元々女流作家の作品は苦手なほうでした。描写が生々しくてHigashiyama_work19s 女性が美しく描かれていないのがとても嫌でした。でも向田さんの作品は、女性がいやらしく描かれていない事が多く、確かに夫や父親に愛人がいたとしても、それでハチャメチャになるような作品ではなく、心の中にしまい込み、病んでる姿を子供達には見せまいと懸命に働く姿は、ジーンとしてしまいます。

『あ、うん』では夫同士が友人で片側の細君に思いをよせていることを知っていながら男同士の友情にはひびが入らず、もう片側の細君はそれを知りながら、「奥さんも奥さんよ」となじろうとしながら、「りんごもりんごよ」なんて間違えていってしまうとことなど、何とも憎めない人々が織り成す、心温まるお話でしたね。

 それから、いろんな作品の中で時々登場する、「私、酔うと足の裏が痒くなるの。」というセリフ、私は好きですね。私は殆どドラマ化されたものしか知らないのですが、直木賞を取った作品は是非読みたいと思っています。『阿修羅のごとく』ももう一度、本で読み直したいと考えている作品です。親子の絆や夫婦の絆について少し考えてみてはいかがでしょうか。

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私の好きな作品たち~東野圭吾編

 今まで書いてきた作家や作品は今の方たちには馴染みが薄かったかもしれませんね。でも、東野圭吾氏なら圧倒的なファンが多く、今更私などが語るべきではないのでしう・・・

 彼を知ったのは今から3年程前で初めて読んだのが『片思い』でした。
「えぇ~・・・」とストーリーの展開に驚かされ、最後の最後まで息をつけないまま読んでしまい、読んだ後も彼らは今どうしているのだろうなどと現実を帯びて私を引き付けたものでした。単なる謎解きトリックのある推理小説と一線をはくし、そこに絡まる人間模様はとてもPhoto 現実的で登場人物一人一人に感銘を覚えた事は今でも、心に残っています。
 それから、立て続けに読みあさり、『白夜行』と『幻夜』は同じヒロインではないかと思った
のは、私だけではないでしょう。彼自身、理工学部出身ということもあってとても科学的な要素が含まれているし、非科学的なものごともあらゆる側面から分析している・・・例えば、犯人が一人悪者になるのではなく、犯人の身内の苦しみと言う側面から描かれた『手紙』も救われない人間の心理をよく把握していると思います。
そして、『容疑者xの献身』では、ここまでやれるだろうか?と読み手が思い悩み、Xが容疑者になる為に本当に人を殺めてしまうという徹底ぶりにはさすがにお手上げでした。

 この作者は只者ではないぞと、今は新刊が待ち遠しいです。ただ、現在の私は読書をする余裕がないので『赤い指』以降は未読です。ネット検索で東野圭吾氏を検索すると、ものすごい数のHPやブログが多いのには驚かされますね。それだけミステリーの質が変わってきたといえるのでしょうね。社会現象や人間の陰と様、人のふれあい方etc・・・犯人は○○だったねでは終わらないおもしろさはたまりません。今年は何としても読むぞと意気込んでいます。

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私の好きな作品たち~村上春樹編

 本来、小説というもので、大人になってからこんなに感銘を受けたのは彼の作品ではなかったかと思います。羊男の出てくるシリーズは言うまでも無くその創造をたくましくしてくれました。最初は変わった作家だなぁくらいにしか思えなかったのが、ついつい引き込まれていって、彼の描くライフスタイルは何とも言えず面白く、感化され続けました。

例えばパスタを茹でるのに奮闘する姿や、パスタには必ずぶどうジュースが添えられている事。おつまみをチャッチャと作ってしまうこと。そういう光景が彼の作品には何度も登場します。そして羊男を捜し、たどり着いた札幌のドルフィンホテル。登場人物が実在したのではと思わせる会話。彼がサリンジャーから受けた影響も大きく、村上6423_xl 氏の作品を読みながらサリンジャーを読むと、何の違和感もなく読めた事には少し惑いました。

 彼の作品では『ノルウェイの森』が代表されますが、私は『ダンス・ダンス・ダンス』や『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』がとても好きです。
  『ノルウェイの森』は主人公の友達の彼女のせつな過ぎる思いで胸が苦しくなってしまい、もう二度読み返すのはよそうと思ってしまいました。あの愛の深さは彼女を最後まで追い込むだろうと、読んでいる途中から予想できてしまい、自殺という結末はあまりにも読み終えた時、主人公の気持ちとダブってしまったのだと思います。
  この作品が教材になると知り、夏目漱石の『こころ』を教材で学んだ高校生の時の思いが蘇ってしまいました。今なら解るけれど、当時の私には単に人間のエゴで片付けてしまった理解の無さを実感したものです。

 村上氏の作品はどれも登場人物が個性的で創造たくましい私にはとても刺激的です。自分の中で人物像を造ってしまい、今も彼らは私の中で生きてる・・・そしていくつもの影響を及ぼしてくれるのです。自分と自分の影の存在・・・それまで考えもしなっかった影が何時一人歩きをするのだろう・・・そんな事を考えながら、新しいパスタ料理に挑戦している私なのでした。

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私の好きな作品たち~倉本聰編

 倉本作品をドラマで観た事が無い人はきっといないでしょうね。最近では『優しい時間』など、テレビドラマの脚本家として、彼は多大な作品を手掛けてきました。昔は特にTBSの日曜ドラマの『うちのホンカン』をはじめとするシリーズでお茶の間を暖かくしていたのではないでしょうか。それから『前略おふくろ様』で萩原健一にはまったのは女性より男性のほうだったそうです。そうやって暫くはドラマブームが続いたのですが、年々バラエティのような番組や、2時間ドラマの出現などで彼は本を書くようになりました。そこHigashiyama_work25s でそれまで一緒に仕事をしてきた役者さんたちについて描いたものがありました。『さらばテレビジョン』、『新・新テレビ事情』などがそうです。NHKの『勝海舟』で渡徹也が降板し、松方弘樹に代わったことで仁科明子を取られてしまい、『うちのホンカン』も続けられなくなったと嘆く心優しい倉本氏・・・

 私がお気に入りなのは彼の話し言葉。つい移ってしまって、「~なのよね}が「~なのね」となったり、「~で」が「~なわけで」となったり・・・なんとなく、ほんわかとしいた話口調が彼のモチーフにもなっていると思うのです。そして彼の描く人物像は様々な背景があり、脇役であっても、こういう生まれでこういう育ち方をしたという詳細がメモられていること、ご存知でしたか?言葉は少なく、時だけが流れているような場は観る人に考える時間を与えているように感じます。
 以前書いたつかこうへい氏のように笑っちゃうんだけど、後でジーンとするのはたまりません。

 山田太一氏と向田邦子さんとは特に気があったらしく、向田さんが亡くなられた時はかなりショックだったようです。私も向田作品は好きなのでだんだんそういう方たちの作品が観られない、読めない事態は深刻に受け止めざるを得ません。
 昨今のドラマは原作がアニメだったりするものが多く、それを責める気はありませんが、人物描写に頭を傾げてしまうことがままあります。その時々の心の描写に解説めいた言葉など必要ないと思いませんか?

 倉本作品を待っているファンは沢山いるでしょう。また、優しい時間を私達に与えてください!

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私の好きな作品たち~つかこうへい編

 これまた兄の影響で、私は音楽と共に読書も大好きで、、夏目漱石、太宰治から最近ではミステリー東野圭吾、綾辻行人などなど、何でも読んでしまいます。ここ1年くらいは仕事にかまけて読めないのが悲しいです。どの作家にも一つ以上は大好きなものがあるのですが、特に私がお勧めしたいのは、本来は脚本家だったり、芝居の監督が書き下ろした作品です。 
 
といえば、ピンとくるのが倉本聰氏でしょうね。私がドラマを観ていHigashiyama_work24s て「あ、おもしろい」と思ったドラマの殆どの脚本家が彼でした。それから倉本氏は、北海道に移り住み、『北の国から』はドラマと同時進行で脚本の形に書き下ろされた本を毎週一話づつ読んだりしたものです。 

 それから、つかこうへい氏、彼も私には大きな存在でした。『蒲田行進曲』で直木賞取ったのがきっかけで読み出したのですが、何ともユニークでありながら、ペーソスなんです。    まだ風間杜男や平田満が芝居でブイブイ言わせていた頃はまだ興味もなく、『熱海殺人事件』が札幌で上演されたというのに行かなかったこと、後悔しています。
彼の場合は芝居、本、映画と同じ作品でも全く違う演出がされており、芝居が一番なのでしょうが、私は本という形がどこまでも創造を膨らませてもらえるので、好きなんです。『ジャイアンツは負けない』や『長島茂雄殺人事件』はジャイアンツファンなら泣いて喜ぶスト-リーになっています。

 団塊の世代の彼にとって、角材を振り回していた仲間たちが定期券を持ってサラリーマンになっている風景はどう映っていたのでしょう・・・ 

彼の描く女性は、例えば蒲田行進曲の小夏に代表されるように、一見片意地張って生きているように見えて、実はどうしようもないほどいじらしい女々しさをもっているというとろ。男性も言葉や態度は悪いけれど、そうしなければいられないほど、切ない部分を持っている・・・優しさを直接伝えられないはがゆさがたまらなく心を揺さぶるのです。
 私は乱暴な言葉や汚い描写は嫌いですが、つか氏の作品は何故だかすんなり受け止められるのは自分にも直接的に伝えられない、言葉が見つからないという経験があるからなのでしょうね。身近いればいるほど何かをしてもらうということが当たり前になってしまい、感謝や謝罪の言葉って面と向かって言えないものですよね。でも彼の作品に接して、少し身にしみて言動に移してみようかと思うようになれました。全ての作品を読み終えて、読んでる時はおかしかったり、笑ったりするのですが、後々心に残る作品が多いことにはきっと驚かされるに違いありません。私にとっても、宝物です。

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